2015 Fiscal Year Annual Research Report
数論的基本群に関する数論幾何学の諸問題とその相互関係
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15H03609
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / ガロア表現 / アーベル多様体 / 正標数 / 国際研究者交流 / 米国:仏国:英国:ルクセンブルク |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に記載の通り、海外研究協力者のAnna Cadoret氏(5月~8月)、Mohamed Saidi氏(8月~9月:本補助金使用、12月~1月)の来訪を実現でき、 代数曲線の被覆と基本群に関する数論幾何学について、研究の目的を十分に果たすことができた。また、本補助金使用により、研究代表者の愛知出張(6月)、アメリカ出張(7月)、オランダ出張(11月)、東京出張(12月)、茨城出張(1月)、高尾尚武氏の雇用(4月~3月)、山下剛氏の雇用(7月~10月)及び青森出張(8月)、澤田晃一郎氏の広島出張などを実現し、整数論・数論幾何における有意義な情報収集・研究討論・成果発表を集中的に進めることができた。 具体的な研究実績としては、次のような成果をあげることができた。 1. Rasmussen氏との共同研究では、「研究の目的」Aに関して、まず、前年度までに証明できていた有限性予想に関する結果について、論文を修正して再投稿し、アクセプトされた。また、アーベル曲面の還元に関する結果について、論文を修正・再投稿した。 2. Cadoret氏との共同研究では、「研究の目的」Cに関して、まず、前年度までに証明できていた種数増大性に関する結果とゴナリティー増大性に関する結果について、論文を修正・(再)投稿した。また、「研究の目的」Bに関して、国内外で成果発表を行った。さらに、幾何的半単純性に関する強い結果を得て、Chun Yin Hui氏(ルクセンブルク大)と三名共著の論文として作成した(投稿準備中)。 3. Saidi氏との共同研究では、まず、「研究の目的」Fに関して、前年度までに証明できていた結果について論文を修正して投稿した。また、「研究の目的」E及びFに関して、国内外で成果発表を行った。さらに、「研究の目的」Dに関して、いくつかの非自明な観察を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3名の海外研究協力者との3つの共同研究を順調に進展させることができ、懸案だった成果の整理・発表(論文の執筆・投稿・修正・再投稿・出版や口頭発表)も大きく進んだ。
「研究の目的」Dに関していくつかの非自明な観察を得たのに加えて、「研究の目的」Cに関して、代数曲線の幾何的基本群の法lエタールコホモロジー群における表現の半単純性に関する強い結果を得ることができたのは、大きな収穫だった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しており、基本的にはこのまま進めていけばよいと考えている。研究の目的に沿って新しい研究結果を得ることはもちろん、成果の整理・発表についても、引き続き力を入れたい。本研究計画は3名の海外研究協力者の3つの共同研究を中核としているが、今後も3つの共同研究のバランスに留意するとともに、3つの共同研究のいずれも、もとより数論的基本群を中心的対象とするものであることに立ち返り、諸問題の相互作用をいかすという視点に立って、研究を推進していきたいと考えている。
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Research Products
(7 results)