2018 Fiscal Year Annual Research Report
Uniformity of Zeta Functions
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15H03612
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
翁 林 九州大学, 数理学研究院, 教授 (60304002)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非可換ゼータ函数の零点 / Fokker-Planck 方程式 / 高階数代数幾何符号 / adelic 版ベクトル束拡張類 / 算術トルソー / リー代数の特性写像定理と整基定理 / スペクトル曲線とキャラメル曲線 / 算術特性曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
この一年間,ゼータ函数の統一性に関して重大な転換があった. これはプロジェクトの中心問題,つまり有理数体上の既約代数群とその局大放物部分群に付随するゼータ函数の弱リーマン予想,が一昨年出版した自分の本の中で解決したことに由来する. そのため研究の中心は応用部分に変わる. 四篇論文を書きました. [1]「Non-Abelian Zeta Function, Fokker-Planck Equation and Projectively Flat Connection」 [2]「Codes and Stability」 [3]「Adelic Extension Classes, Atiyah Bundles and Non-Commutative Codes」 [4]「Arithmetic Characteristic Curves」 これらを三つの方向に分けて説明する. まず初めに,論文 [1] に,高階数の非可換ゼータ函数とそれらの零点を用いて,新しい型の Fokker-Planck 方程式を導入したうえに,無限次元のベクトル束も構築した. 次に,ゼータ函数の統一性とその前のプロジェクトの研究から作り出したadelic cohomology群を用いて,論文 [2] に,高階数代数幾何符号という新しい符号理論を導入し, 更に, 論文 [3] に,Atiyah 氏による楕円曲線のベクトル束の分類の中の 1 種類に対応する 高階 adelic 元も具体的に実現した.最後に,Fields 賞受賞者のひとり Ngo 氏の主な仕事「基本補題」とこのプロジェクトからうまれた算術トルソー (arithmetic torsor) をコンバインドして,論文 [4] に,代数幾何学のスペクトル曲線とキャラメル曲線の類似する算術特性曲線を,Chevalley 特性写像定理と整基定理らを用いて,構築した.これは重大な意味もつ仕事である.何故ならば新しい数学の研究領域を開かれたからだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ゼータ函数の統一性の研究に関して重大な転換があった. 基礎理論の研究から,今まで得られた理論と結果の応用に変わた.その結果,まず,上記の論文 [1] に,本来計画した非可換ゼータ函数の零点とFokker-Planck 方程式の関連性を明確に確立した上で,無限次元のベクトル束も構築し,その上に射影的フラット接続が存在する予想も立てた.そうすることによって,型被れの伊藤確率微分方程式発見し,伊藤解析を使って,非可換ゼータ函数の零点の研究できるようになた.次に,一連のプロジェクトの研究から作り出した adelic cohomology 群を用いて,論文 [2] に,高階数代数幾何符号という新しい符号理論を導入した. 更に論文 [3] に,Atiyah 氏による楕円曲線のベクトル束の分類の中の 1 種類に対応する 高階 adelic 元も具体的に実現した.これらは,今までの直線束から作った代数幾何符号と違って,より一般なベクトル束から作った。符号の種類増えることのみならず,より複雑,より解きにくい符号より低いコストで作ることができるようになった.実際,山田純平さんの卒業論文中,論文 [2] と [3] にに基づく,最初の真な高階数代数幾何符号の例を楕円曲線を用いて作った.最後,論文[4] に,代数幾何学のスペクトル曲線やキャラメル曲線と類似する数論幾何学の算術特性曲線を,既約群のリー代数に関するChevalley 特性写像定理とChevalley 整基定理らを用いて,構築した.これは重大な意味をもつ仕事である.何故ならば新しい数学の研究領域を開かれたからだ.特に,算術 Higgs 束とその安定性および moduli 空間導入でき,更にこれらを用いて,算術 Hitchin フィブレーションも定義できるようになる. 今後,これらの優れる性質を確立させ.近い将来intersection ホモロジーとひねくれた束 (perverse sheaf ) を使って,「基本補題」の純粋な数論的な証明を与えることができるようになることを望んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
過去一年間ゼータ函数の統一性に関する研究が純理論から応用に変わた. 今後引き継ぎ応用を中心に置ける.具体的には以下の三点である. まず初めに,非可換ゼータ零点と関連する新しい型の Fokker-Planck 方程式および無限次元のベクトル束と,他の数学分野,特に,微分幾何,微分方程式と確率論など,の関係を探求したい.その中でも,無限次元のベクトル束の射影的フラット接続の有無 と 新しい型の Fokker-Planck 方程式と伊藤解析の関係を研究の中心に置きたい.次に,昨年の研究の内,高階数代数幾何符号を導入し, 楕円曲線のベクトル束の分類の中の 1 種類に対応する 高階 adelic 元も具体的に実現した.今後,残された楕円曲線上のベクトル束の他の種類に対応する高階 adelic 元も具体的に書き, 更にこれらを用いて,対応する高階数代数幾何符号を具体的に作り出したい.時間があれば,種数2以上の曲線を使って,もっと難しい高階数代数幾何符号の例を求めたい.そうすることによって 高階数代数幾何符号と普通の代数幾何符号の異なるところが明白となり,より良い,より解きにくい符号を効率よく作れるようになる.最後に,Fields 賞重賞者のひとり Ngo 氏の主な仕事「基本補題」とこのプロジェクトからうまれた算術トルソー (arithmetic torsor) をコンバインドして,昨年の研究から,代数幾何学のスペクトル曲線とキャラメル曲線の類似する算術特性曲線を,リー代数のChevalley 特性写像定理と整基定理らを用いて,構築した.これは重大な意味もつ仕事である.何故ならば新しい数学の研究領域を開かれたからだ.今後これに関連する研究を更に前進させたい.算術 Higgs 束の moduli 空間と算術 Hitchin フィブレーションを始めとして,色々な新しい数学構造を作り出す,これらの優れる性質を確立させ, 将来的に純粋な算術的方法を用いて 「基本補題」の証明を次の研究プロジェクトにて模索したい.
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Research Products
(5 results)