2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developments and applications of geometric singularity theory
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15H03615
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 剛郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50176161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 一博 広島大学, 理学研究科, 准教授 (00569832)
佐治 健太郎 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (70451432)
高橋 雅朋 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (80431302)
齋藤 幸子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40260400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 錐構造 / ジェネリック幾何 / 接線曲面 / フロンタル / 双対性 / 接触構造 / 開化 / 分岐加群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,対称性をもつ幾何構造という空間概念において自然に現れる方程式の幾何学的解を, 特異性に注目して研究する. 幾何構造に付随して必然的に現れる特異性に着目し, 幾何学的動機付けのもとで特異性の解析・分類をすると共に, その幾何学的意味を明らかにし, 幾何学の新たな方法を提示・応用することを目的とする. 具体的な研究目標として,特異微分式系, 非線形制御系に関わる微分方程式の対称性と幾何学的解の特異性の分類を行い,制御系の変分問題に基づく拘束ハミルトン系,ポート・ハミルトン系に現れる特異性の解明をし,凸 サブ・フィンスラー計量と錐構造に関する距離と測地線の対称性・特異性の研究を行う.平成29年度は,研究分担者, 連携研究者と協力して, 岩手,メキシコでのジェネリック幾何における特異点に関する国際研究集会に参加・講演し,世界の幾何学的特異点論研究者と情報交換を行った.極めて一般的状況の下,一般次元において接線曲面の特異性の分類を完成させ国際的学術雑誌に成果を発表した(G. Ishikawa, T. Yamashita, Singularities of tangent surfaces to directed curves, Topology and its Applications, 234 (2018), 198--208).また平成29年度までの課題研究の成果をまとめてフロンタル,開化,分岐加群の一般論を展開した(Goo Ishikawa, Singularities of frontals, to appear in "Singularities in Generic Geometry", Advanced Studies in Pure Math., Math. Soc. Japan).さらに,G_2幾何における双対性を一般化することに成功している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題研究は初年度から平成29年度までに予定通りの成果が得られ,その成果は国際的学術雑誌に順調に出版または出版確定されている.(G. Ishikawa, T. Yamashita, Singularities of tangent surfaces to directed curves, Topology and its Applications, 234 (2018), 198--208.Goo Ishikawa, Singularities of frontals, to appear in "Singularities in Generic Geometry", Advanced Studies in Pure Math., Math. Soc. Japan).特に,本課題研究によって得られた平成29年度までの成果をまとめてフロンタル,開化,分岐加群の一般論を展開できたことは,最終年度の研究に向けての十分な基礎を与える成果を得ていることになる.さらに,分担者および連携研究者との共同研究により初期段階で得ている成果(G. Ishikawa, Y. Machida, M. Takahashi, Singularities of tangent surfaces in Cartan's split G2-geometry, Asian Journal of Mathematics, vol.20--2, (2016), 353--382)の双対性を,(2,3,5)分布とラグランジュ錐構造の双対性としてきわめて一般化することに成功したことは意義深い.このように,平成30年度に向けてのさらなる研究の発展が視野に入っていることから,おおむね順調に進展していると結論づけることができるからである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も, 国内研究者(研究拠点)と海外拠点を密接にリンクしながら研究を進めていく. 関連分野の若い人材も積極的に人的交流を行うことができるようにすることも継続する. 前年度までに得られたアイディア・知識をもとに, 3つの研究目標(具体的な目標として挙げている,特異微分式系, 非線形制御系に関わる微分方程式の対称性と幾何学的解の特異性の分類を行い,制御系の変分問題に基づく拘束ハミルトン系,ポート・ハミルトン系に現れる特異性の解明をし,凸 サブ・フィンスラー計量と錐構造に関する距離と測地線の対称性・特異性の研究)の最終的解決を分担して行い, さらに国内および国際研究集会において研究系経過を発表し,関連する国内外の研究者との研究連絡・討論を行う. 一方で広報活動を継続し, 実質的に研究を活性化するよう体制を再確認する. 本研究課題で具体的に提示した問題解決が困難にぶつかった場合は, すみやかに,その原因をつきとめ, 国内研究者と海外拠点と連携して, 問題点の洗い直し, 情報収集を行い, よりきめ細かな問題設定を再び行うこととする. このように柔軟に対応できるシステムを作っていて,その困難解決の過程そのものも魅力的になるように研究システムとなっている. 平成29年度に得られた (2,3,5)分布とラグランジュ錐構造の双対性に関する成果に関する研究論文の学術雑誌への発表および平成30年に開催予定のブラジルでの特異点国際研究集会での成果発表を着実に行う予定である.なお,本研究課題によって得られたフロンタル開化理論は極めて独創的な成果なので,モノグラフとしてまとめ広く公開していく予定である.
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Research Products
(8 results)