2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of magnetic-field induced spin dynamics using the terahertz FT-ESR spectroscopy
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15H03690
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河本 敏郎 神戸大学, 理学研究科, 教授 (70192573)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | テラヘルツ / 磁気共鳴 / 磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度はテラヘルツ電磁波の発生だけでなく検出にも気体プラズマの非線形効果を導入することによって,テラヘルツ電磁波波形測定装置の帯域を2.5THzから7THzに広げることに成功した。しかしながら,テラヘルツ波の発生・検出は十分安定とは言えず,精度の高い測定の実現には至っていなかった。今年度は,放物面ミラーとレンズの短焦点化,光検出器(光電子増倍管)ハウジングの簡素化,光路の縮小による水蒸気吸収の除去,等のいくつかの改良を行った結果,検出器の高感度化と安定化に改善が得られた。 光学測定用超伝導マグネットを組み込んだ温度可変・磁場可変の高磁場広帯域テラヘルツ分光装置用いて,反強磁性体酸化コバルト(CoO)において,マグノンによる反強磁性共鳴(低温で4.4THz)の観測を試みた。前年度と比べてS/Nは向上したが,高周波側にあるフォノン吸収線の影響を受けたためか,試料を透過したテラヘルツ電磁波の振幅が減衰してしまった。その結果,マグノンが期待される4THz近傍のスペクトル強度が小さくなってしまい,マグノン吸収の信号は確認できなかった。 温度可変・磁場可変の高磁場分光装置を用いて,反強磁性体酸化クロム(Cr2O3)およびフェリ磁性体イットリウム鉄ガーネット(YIG,Y3Fe5O12)における電気磁気効果を観測し,電場・磁場誘起臨界現象を解明する研究を行った。プローブ光のファラデー回転を利用して外部電場によって誘起される磁化(電場誘起磁化)のダイナミクスを測定した結果,酸化クロムでは,ナノ秒領域では電場に比例する1次の電気磁気効果,ミリ秒領域では電場の2乗に比例する2次の電気磁気効果が観測された。また,イットリウム鉄ガーネットのミリ秒領域では,液体ヘリウム温度で観測された1次の電気磁気効果が室温に向けた温度上昇とともに2次の電気磁気効果に移り変わっていくことが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)