2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03700
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大槻 東巳 上智大学, 理工学部, 教授 (50201976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SLEVIN KEITH 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90294149)
井村 健一郎 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (90391870)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / ワイル半金属 / 状態密度 / コンダクタンス / アンダーソン転移 / スケーリング / 臨界指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,3次元のトポロジカル絶縁体における表面ランダムネスによる状態密度,コンダクタンスの変化を詳細に検討した。この研究は,ランダムネスを表面の数層のみに存在すると仮定したもので,実際のデバイスなどに応用が期待できることからPhys. Rev. Applied誌に発表した。 また,3次元トポロジカル絶縁体物質を徐々に薄くして行った時,どのような相が現れるかをコンダクタンスやZ2指数の計算により明らかにした。量子スピンホール相は奇数の相では安定で,偶数の相では不安定だと思われているが,この描像は正確さに欠けることを指摘した。本研究はPhys. Rev. B誌に発表した。 さらに,乱れたChern絶縁体を層状に積み上げた時に自然と出来上がるワイル半金属の振る舞いを,状態密度やコンダクタンスのスケーリングにより解析し,相図を決定した。またワイル半金属におけるコンダクタンスのスケーリング特性を提案し,数値計算により実証した。さらに表面のフェルミアークによる伝道を計算し,自己無撞着ボルン近似により説明した。これらの成果はPhys. Rev. Lett.誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3次元トポロジカル絶縁体に対して提案した状態密度スケーリングが,海外の研究者によって他の系にも適用できることが指摘され,こうした乱れたトポロジカルな系のスケーリング特性による研究が一気に活気を帯びた。我々自身も,この方法をワイル半金属が示す金属半金属転移に適用し,有効性を実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発したカーネル多項式法による状態密度の計算と,そのスケーリング特性による研究手法を,最近,注目を浴びているワイル半金属,特にモノポールの電荷が1ではなく2のdouble Weyl半金属へと適用する。
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Research Products
(9 results)