2017 Fiscal Year Annual Research Report
Scaling theory of topological insulators
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15H03700
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大槻 東巳 上智大学, 理工学部, 教授 (50201976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SLEVIN KEITH 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90294149)
井村 健一郎 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (90391870)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / ワイル半金属 / アンダーソン転移 / スケーリング理論 / 状態密度スケーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はトポロジカル絶縁体などのトポロジカル物質のスケーリング理論を構築することである。 平成29年度は,3次元のワイル半金属が示すリッチな相図におけるスケーリング理論をくりこみ群によって構築した。特に,ワイル半金属・絶縁体・金属の3重臨界点の周りのスケーリング理論を提案した。中でも新奇なスケーリング特性を示す状態密度,局在長,コンダクタンス,電気伝導度の振る舞いを議論した。この理論を検証するため,2次元のチャーン絶縁体を層状に重ねた系において数値シミュレーションを行った。結果は,X. Luo, B. Xu, T. Ohtsuki, R. Shindou, "Quantum multicriticality in disordered Weyl semimetals", Physical Review B 97, 045129 (2018)に発表した。同論文はEditors' suggestionに選ばれている。主な結果は以下の通りである。 ・バンド絶縁体相,またはチャーン絶縁体相から金属相に転移する際,二つの層の間にAnderson絶縁体の相が現れる。この相では状態密度が有限となり,金属への転移はユニタリクラスのアンダーソン転移と同定できた。 ・絶縁体相からワイル半金属相への転移は直接転移で,その臨界指数を評価した。 ・絶縁体からワイル半金属に転移する際は,異方的なスケーリング理論で記述された。 なお,こうした研究の中で,異方的なスケーリング理論で記述される現象が発見されたので,これについてより詳しい解析を行い,その結果を投稿中である(X. Luo, T. Ohtsuki, R. Shindou,"Unconventional Scaling Theory in Disorder-Driven Quantum Phase Transition", arXiv:1803.09051)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ワイル半金属・絶縁体・金属の3相からなる量子相転移の多重臨界点周りのスケーリング理論の構築に成功した。この結果は本科研費課題の中核をなすものである。
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Strategy for Future Research Activity |
ワイル半金属・絶縁体・金属のスケーリング理論の構築に成功したので,今後はその数値的実証と,トポロジカル絶縁体・通常の絶縁体・金属のスケーリング理論とその構築を目指す。
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Research Products
(2 results)