2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on improving efficiency of the tropical Pacific observing system using unstable perturbation and property of spatial-temporal variation
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15H03727
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
藤井 陽介 気象庁気象研究所, 海洋・地球化学研究部, 主任研究官 (60343894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 滋毅 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, グループリーダー代理 (60399582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルゴフロート / TAO/TRITON / 特異ベクトル法 / 観測システム実験 / 熱帯太平洋観測システム / 海洋再解析相互比較 / GODAE Ocean View |
Outline of Annual Research Achievements |
1.気象庁海洋気象観測船凌風丸2016年1月航海で、東経137度の北緯7度、6度、4度にアルゴフロートを投入し、係留中のTRITONブイと合わせて北緯4度から8度にかけての疑似アレイを構築し、2日毎の観測を実施した。しかしフロートの移動が想定より早く、南北のラインでデータが取得できたのは2ヶ月程度であった。また、三基のフロートのうち一基は4月末にインドネシア多島海に向かったため、停泊深度を300mに変更したところ太平洋に残る方向に移動の向きを変えたが、その直後に通信不能となった。残りの二基については、現在も熱帯太平洋西部で二日毎の観測を実施している。
2.全球海洋アジョイントモデルを利用した特異ベクトルの計算手法の開発を開始した。四次元変分法海洋データ同化システムにおいて、特定の種類の観測データや無作為に抽出されたアルゴフロートデータを同化する観測データから除外するルーチンを整備した。また、準ニュートン法による最適化の過程で得られる情報から解析誤差共分散行列を推定する手法についても開発した。今後は、これらの手法を用いて観測システムのインパクトを検証する。
3.気候の変動と予測可能性に関する研究(CLIVAR)全球統合パネルの会合で観測システム評価研究の現状のレビューについて発表した。2020年以降の熱帯太平洋観測システム検討グループ(TPOS2020)モデル・データ同化タスクチームでは、熱帯太平洋観測システムを維持するために定常的な観測システムを評価する仕組みを構築すること、および、その有力な手法の一つとしてリアルタイム海洋再解析相互比較の支援を行うことを提案した。また、米国環境予測センター(NCEP)など各国期間と熱帯域水温場の海洋データ同化システムにより解析された熱帯域水温場の相互比較を行い、観測数の低下した時期にシステム間の相違が大きくなることを示し、論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、特異ベクトル法により抽出した成長擾乱を用いて、熱帯太平洋域における有効な海域の評価を行う予定であった。そのために必要な全球アジョイントコードについては気象研究所の経常研究で開発していたが、その開発が遅れたため、特異ベクトルを計算するためのプログラムの開発の開始が2016年度となり、当初の予定より遅れている。また、投入したアルゴフロートから疑似アレイとしてのデータを取得できた期間が当初の想定より短く、検証の対象を疑似アレイ観測の効率から、高頻度観測(2日毎)のインパクトに変更するなどの必要が生じたため、まだ、十分な検証を終えていない。なお、観測システム評価研究に関する国際協力に関しては、熱帯太平洋の観測データのインパクトについて、米国やヨーロッパの研究者と共同で作成した論文が受理されるなど、当初の想定以上の成果を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたアルゴフロートによる疑似アレイの観測インパクトの検証については、フロートの移動が想定より早く十分なデータがそろわなかったので、そのかわりに投入したアルゴフロートで取得した2日毎の観測を有効活用し、観測頻度のデータ同化システムの精度に与える影響について検証する予定である。また、特異ベクトル法と合わせて、準ニュートン法により観測誤差共分散行列を求める手法を用いることにより、観測データのインパクトについてより客観的な検証をおこなうことを検討する。 また、2017年度より海洋データ同化実験海洋外観プロジェクト(GODAE Ocean View)観測システム評価タスクチームの共同議長に就任しているので、同タスクチームの会合や関連する国際ワークショップに参加し、最近10年程度の観測システム評価研究の成果についてレビューを行うと共に、共同議長として、本研究の目的である熱帯太平洋観測システム評価のための国際協力を、さらに推進していく予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Fifteen years progress of the TRITON array in the Western Pacific and Eastern Indian Oceans2017
Author(s)
Ando, K., Y. Kuroda, Y. Fujii, T. Fukuda, T. Hasegawa, T. Horii, Y. Ishihara, Y. Kashino, Y. Masumoto, K. Mizuno, M. Nagura, and I. Ueki
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Journal Title
Journal of Oceanography
Volume: 73
Pages: 403-426
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A Real-time Ocean Reanalyses Intercomparison Project in the Context of Tropical Pacific Observing System and ENSO Monitoring2017
Author(s)
Xue, Y., C. Wen, A. Kumar, M. Balmaseda, Y. Fujii, O. Alves, M. Martin, X. Yang, G. Vernieres, C. Desportes, T. Lee, L. Ascione, R. Gudgel, and I Ishikawa
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Journal Title
Climate Dynamics
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] 日本の海洋データ同化研究:20年間の功績と今後の展望2017
Author(s)
藤井陽介, 蒲地政文, 広瀬直毅, 望月崇, 瀬藤聡, 美山透, 広瀬成章, 長船哲史, 韓修妍, 五十嵐弘道, 宮澤 泰正, 豊田隆寛, 干場康博, 増田周平, 石川洋一, 碓氷典久, 黒田寛, 高山勝巳
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Journal Title
海の研究
Volume: 26
Pages: 15-43
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] データ同化での感度解析とOSEの例2016
Author(s)
藤井陽介, 碓氷典久, 小川浩司, 広瀬成章, 安藤健太郎, 蒲地政文
Organizer
第3回JAMSTEC/CEISTセミナー
Place of Presentation
JAMSTEC横浜研究所(神奈川県横浜市)
Year and Date
2016-12-15 – 2016-12-15
Invited
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[Presentation] A real-Time Ocean Reanalyses Intercomparison Project for Quantifying The Impacts of Tropical Pacific Observing Systems on Constraining Ocean Reanalyses2016
Author(s)
Xue, Y., C. Wen, A. Kumar, M. Balmaseda, Y. Fujii, O. Alves, M. Martin, X. Yang, G. Vernieres, C. Desportes, T. Lee, L. Ascione, R. Gudgel, and I Ishikawa
Organizer
CLIVAR Open Science Conference
Place of Presentation
Hyatt Regency Qingdao(中国青島市)
Year and Date
2016-09-20 – 2016-09-20
Int'l Joint Research
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[Presentation] Real-Time Ocean Reanalysis Intercomparison Project2016
Author(s)
Yan Xue, Caihong Wen, Yosuke Fujii, Ichiro Ishikawa, Arun Kumar, Magdalena Balmaseda, Gaba Vecchi, Guillaume Vernieres, Oscar Alves, Matthew Martin, Charles Desportes, Tong Lee, David Legler, and David DeWitt
Organizer
日本海洋学会2016年度秋季大会
Place of Presentation
鹿児島大学郡元キャンパス(鹿児島県鹿児島市)
Year and Date
2016-09-15 – 2016-09-15