2017 Fiscal Year Annual Research Report
Formation process and local structure of amorphous aluminosilicates in fault zone
Project/Area Number |
15H03746
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 純 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40568713)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | スメクタイト / 摩擦発熱 / メカノケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、南海トラフ先端の分岐断層、および類似の地質学的環境に発達する付加体内部断層(房総-三浦付加体の白子断層)を対象として、地震発生に伴う断層のメカニカルな作用が、粘土鉱物の相転移反応にどのような影響を及ぼすのか検討した。 これまでの研究により、二つの断層がスメクタイトと呼ばれる粘土鉱物を豊富に含んでいること、すべり面においてそのスメクタイトが局所的にイライトに置換されていること(S-I反応)、などが明らかにされている。X線回折法によりS-I反応の進行度を定量化したところ、どちらの断層でもおよそ10%程度反応が進んでいることが分かった。一般にS-I反応は熱によって促進すると考えられているため、上の反応も地震発生に伴う断層面の摩擦発熱に関連した現象と考えられる。しかしながら、最近報告された断層の熱履歴解析の結果により、これらの断層が、S-I反応が進むほどの高温状態にはならなかったことが示された。そこで本研究では、観察された反応進行度と断層の温度履歴にもとづいて、S-I反応の活性化エネルギーについてインバージョン解析を行った。解析の結果、いずれの断層においても、活性化エネルギーが報告値に比べて30%程度低下している可能性が示された。この低下量は、摩擦実験によって示された鉱物脱水反応の活性化エネルギーの低下量ともよく一致する。以上のことから、これらの断層においては、断層すべりによるメカニカルな作用によってS-I反応の活性化エネルギーが低下し、静的な環境に比べて反応がより進みやすくなっていたと推定される。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)