2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03749
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西原 遊 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (10397036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 健二 東京工業大学, 理学院, 講師 (20727218)
大内 智博 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 講師 (60570504)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地球中心核 / hcp鉄 / 高温高圧変形実験 / 格子選択配向 / 地震波異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球の中心に位置する固体金属でできた内核には特徴的な地震波速度の異方性が存在する。この異方性は構成物質の変形によって発達する選択配向によるとの考えがあるが、実際の内核物質の物質科学的研究は不十分であった。本研究では高温高圧変形実験と放射光その場観察技術を集結することによって、内核の構成物質であるhcp鉄の変形誘起選択配向とを解明することを目的とする。 平成28年度は、hcp鉄の13~17 GPa、723 K、一軸歪速度2~6E-5 s[-1]での圧縮・引張実験を行い、実験中に発達する格子選択配向をその場観察した。その結果、圧縮実験では圧縮軸方向に<0001>が、引張実験では引張軸方向に<12_10>が配向することがわかった。そのため、実験条件下でのhcp鉄の主要すべり系が底面すべりである可能性が高いことが突き止められた。 これらの実験では、平成27年度に本課題で大型放射光施設SPring-8のBL04B1に導入した単色X線透過像撮影システムが利用されているが、このシステムによって従来よりも格段に効率的な差応力と歪の測定が実現されている。 今後は、より幅広い温度、圧力、歪速度でのhcp鉄の変形その場観察実験をすすめていくとともに、得られた実験結果をもとにして観測される内核の地震波速度異方性を整合的に説明できる成因メカニズムを絞り込むことを目指す。これによって、地球中心核での地球史を通じた物質移動パターンが明らかになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したとおり、予定していた実験を順調にすすめている。また、平成27年度に導入したX線透過像撮影システムも順調に稼働している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より幅広い温度圧力条件での変形実験を行いhcp鉄の格子選択配向に対する温度、圧力の影響を調べていく。同時に変形の力学特性にも注目しその温度圧力、ひずみ速度依存性を明らかにしていきたい。また、得られる結果を取りまとめ、関連学会での発表、投稿論文での発表を行っていく。
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Research Products
(13 results)