2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03775
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 健 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40359683)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Rh(I)+/H8-BINAP錯体触媒を用いると、2つのフェニル基と1つのジメトキシシクロヘキサジエニル基で架橋されたジインとアセチレンジカルボン酸ジt-ブチルエステル(DTBAD)との化学および位置選択的完全分子間交差環化三量化反応が室温で進行し、[12]CPP前駆体(pre-[12]CPP)が得られた。次いでNa-Naphthalenideを作用させると還元的芳香環化が進行し、6つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[12]CPPが得られた。また、2つのフェニル基と1つのジヒドロナフチル基で架橋されたジインとDTBADとの反応では、[12]および[16]CPP前駆体(pre-[8] and [12]CPP)が得られた。次いでDDQを作用させると酸化的芳香環化が進行し、6つおよび8つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[12]および[16]CPPが得られた。さらに、1つのジメトキシシクロヘキサジエニル基で架橋され、アルキン末端が水素およびシリル基であるジインとアセチレンジカルボン酸ジt-ブチルエステル(DTBAD)との化学および位置選択的完全分子間交差環化三量化反応を段階的に行うことにより、[8]CPP前駆体(pre-[8]CPP)が得られた。次いでNa-Naphthalenideを作用させると還元的芳香環化が進行し、8つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[8]CPPが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的としていた、6つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[12]CPPに成功し論文発表したのみならず、ジメトキシナフチル基および6つおよび8つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[12]および[16]CPPの合成にも成功した。さらに、化学および位置選択的完全分子間交差環化三量化反応を段階的に行うことにより、8つのt-ブトキシカルボニル基をもつ[8]CPPの合成にも成功した。このように、本研究は当初の計画以上に進展しており、申請者の反応設計が、新しい官能性環状π共役分子の創製に極めて有用であることを実証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在までの進捗状況で見出され結果を論文としてまとめ発表することをまずおこなう。そして、(1)完全分子間交差環化三量化反応による[8]および[12]シクロパラフェニレン合成の大量合成に向けた最適化、(2)段階的な完全分子間交差環化三量化反応による[4]シクロパラフェニレン合成、(3)完全分子間自己環化三量化反応による分岐型シクロパラフェニレン合成、について検討する予定である。さらに、(4)半分子内交差環化三量化反応によるカーボンナノリング合成、(5)不斉合成への展開、(6)官能基変換による誘導体合成への展開、(7)様々なサイズと芳香環をもつカーボンナノリング/カーボンナノベルト合成への展開、および(8)C-H結合官能基化による触媒的芳香環構築反応の利用、についても初期的知見を得ることを目指す。
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Research Products
(17 results)