2016 Fiscal Year Annual Research Report
分子内-分子間触媒移動によるπ共役系交互共重合体の末端制御
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15H03819
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授 (80182690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 佳宏 神奈川大学, 工学部, 助教 (90625617)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | π共役系高分子 / 鈴木カップリング / Pd触媒 / 触媒移動重合 / 高分子末端官能基化 / 環状高分子 / ブロック共重合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではジボロン酸モノマーとジブロモモノマーの鈴木・宮浦カップリング重合において、ジブロモモノマーで分子内移動する Pd 触媒を用いることによって、π共役系高分子の両末端をボロン酸エステルに制御し、両末端へ種々の官能基の導入やトリブロック共重合体および環状π共役系高分子を合成することを目的としている。今年度の研究実績は以下のとおりである。 (1)非等モル下における高分子量π共役系交互共重合体を合成するため、ドナー性の異なる2種の芳香族モノマーのどちらをジブロモモノマーとし、他方をボロン酸エステルモノマーとするべきか検討した結果、ドナー性の高い芳香族モノマーをジブロモモノマーとして用いると高分子量で両末端がボロン酸エステルのπ共役系交互共重合体が生成することを明らかにした。また、(tert-Bu)3P Pd触媒よりcataCXium A Pd 触媒の方が高分子量体を与えることも見出した。 (2)cataCXium A Pd 触媒によって得られたπ共役系交互共重合体の反応系中に種々の芳香族臭化物を加えると、これらの芳香環が両末端に導入されることを明らかにした。また、それら末端官能基化されたπ共役系交互共重合体の吸収波長が長波長側に移動することも見出した。 (3)(2)の末端官能基化剤として、片末端が臭素のポリチオフェンを加えると、ポリチオフェン-(ポリフルオレン-alt-ポリベンゾチアジアゾール)-ポリチオフェンのトリブロック共重合体が合成できた。 (4)m-フェニレンジボロン酸エステルと過剰の芳香族ジブロミドとの鈴木・宮浦カップリング重合において、p-フェニレン以外にフルオレン、チオフェン、スチルベン、トランなどのジブロモ体を用いても芳香族環状ポリマーが生成すること明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書における今年度の予定(1)~(4)のすべてにおいて順調に進展し、その一部については論文によって発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の芳香族環状ポリマーが得られることが分かったので、その光・電子特性を鎖状芳香族ポリマーと比較して検討する。また、芳香族環状ポリマーを主鎖とするグラフト共重合体を合成し、環状ポリマーに特有な物性を明らかにする。
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Research Products
(24 results)