2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chiral Covelane Framework with Macroscopically Oriented Structure
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15H03820
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石田 康博 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (20343113)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 液晶 / 有機ゼオライト / キラリティ / 配向 / 多孔性材料 / 光学分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者が継続してきた研究の不連続的な発展として、一昨年度「~10 cm2の大面積でキラル空孔が一義的に配向した多孔性高分子フィルム」を得る手法を確立した。この新材料は、従来の多孔性材料に欠けていた要素を全て兼備する、極めて興味深い研究対象である。また、放射光X線を用いた一昨年度の検討により、この材料の分子レベルでの詳細構造が明らかとなった。すなわち、空間群P6122の六方格子の中では、カルボン酸が6回軸に沿って集積した二重らせん構造を取り、二重らせんが作るチャネル中には、アミンがやはり二重らせんに沿って配列する。
一方でキラル化合物の分離は、人類が医薬品を使う限り必要される永遠の課題であり、最も難易度の高い物質分離でもある。これまでに結晶化法・酵素法・クロマトグラフィー法など、様々なキラル分離法が開発されているが、それぞれに得手不得手があり、環境負荷・最適化労力・スケールアップ容易性の全てに優れる方法は無い。今回得られた多孔性高分子フィルム限定された結晶面を外界に露出し、なおかつ、粒界や欠陥による構造乱れのない巨視配向したフィルム構造は、従来のキラル分離媒体とは次元の違う分離効率を達成するはずである。
そこで、プロトタイプとなるゲストとして、多孔性高分子を合成する際に用いた鋳型アミンとその鏡像異性体との等量混合物(吸着サイトに対し2.0当量)を用い、多孔性高分子に吸着させたところ、平衡時の吸着率は65%であり、鋳型アミンと同じ異性体が優先的に取り込まれた(21% ee)一方、同じ多孔性高分子の粉末サンプルを用いて同様の実験を行ったところ、巨視的に配向したフィルムと比べ、平衡時の吸着率は同程度(65%)であるものの、キラル選択性は大きく低下した(11% ee)。以上の結果より、巨視的な配向構造がキラル選択的なゲストの包接においても有用であることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)