2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a micro-flow time-resolved IR spectrometer for analyzing short-lived reaction intermediates of enzymes
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15H03841
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久保 稔 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90392878)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 時間分解赤外分光 / マイクロ流路フローセル / 一酸化窒素還元酵素 / ポンププローブ法 / 蛋白質 / 超精密計測 / 高性能レーザー / 生物物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高輝度のフェムト秒赤外レーザーを光源に用いて、いまだ困難とされるフロー型の時間分解赤外分光装置を開発し、酵素反応の観測に応用することである。装置の第一の応用として、一酸化窒素還元酵素(NOR)の酵素反応を追跡し、反応機構を解明する。 昨年度は、脱窒菌由来NOR(cNOR)のキーとなる反応過渡種(NO活性型)の検出を目指して、プロトン輸送経路上のアミノ酸残基を置換した変異体 E57A を調製した。NO活性型はプロトン化により分解するので、変異導入によりプロトン化を律速段階にすることで、NO活性型の安定化を図った。E57Aの酵素活性はWTの10%程度であった。 本年度はまず、E57Aの反応速度論解析を行なった。その結果、WTの酵素反応は3相性(数マイクロ秒、100マイクロ秒、数ミリ秒)を示す一方、E57Aではミリ秒の第3相が観測されず、反応は第2相で停止することが分かった。このことは第3相の過程にプロトン移動が関与していることを示している。現在、第2相で生成するプロトン移動直前の反応過渡種を時間分解赤外分光で詳細に解析しているところである。 また、cNOR以外にも脱窒カビ由来NOR(P450nor)の酵素反応を、時間分解赤外分光で観測し、NOが活性化した反応中間体の化学種を決定した(Fe(III)-NHO-)。また、SACLAを用いた時間分解X線結晶構造解析を行ない、反応中間体のNO配位構造の決定にも成功した。P450norの反応機構の全容解明に成功した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Observation of water-channel opening of cytochrome c oxidase by time-resolved XFEL crystallography.2017
Author(s)
Kubo, M., Shimada, A., Baba, S., Yamashita, K., Hirata, K., Yamamoto, M., Shinzawa-Itoh, K., Ago, H., Yoshikawa, S., Tsukihara, T.
Organizer
19th International Union for Pure and Applied Biophysics Congress and 11th European Biophysics Congress
Int'l Joint Research
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[Presentation] Time-resolved XFEL crystallography and spectroscopy of cytochrome c oxidase.2017
Author(s)
Kubo, M., Shimada, A., Baba, S., Yamashita, K., Hirata, K., Yamamoto, M., Shinzawa-Itoh, K., Ago, H., Yoshikawa, S., Tsukihara, T.
Organizer
24th Congress & General Assembly of the International Union of Crystallography (IUCr 2017)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 凍結トラップX線結晶構造解析および時間分解赤外分光法を用いた P450nor の反応中間体の構造解析.2017
Author(s)
野村高志, 當舎武彦, 杉本宏, 久野玉雄, 山際来佳, Chai Gopalasingam, 山下恵太郎, 平田邦生, 山本雅貴, 城宣嗣, 久保稔
Organizer
平成29年度日本結晶学会年会
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[Presentation] 時間分解赤外分光法および凍結トラップXFEL結晶構造解析を用いたP450norの反応中間体の解析.2017
Author(s)
野村高志, 當舎武彦, 杉本宏, 久野玉雄, 山際来佳, Chai Gopalasingam, 山下恵太郎, 平田邦生, 山本雅貴, 城宣嗣, 久保稔
Organizer
第44回生体分子科学討論会
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[Presentation] X線自由電子レーザーを利用した時間分解X線結晶構造解析による酵素反応の観測.2017
Author(s)
當舎武彦, 西田拓真, 野村高志, 佐伯直哉, 杉本宏, 山下恵太郎, 平田邦生, 吾郷日出夫, 山本雅貴, 中根崇智, 菅原道泰, 南後恵理子, 岩田想, 城宜嗣, 久保稔
Organizer
第44回生体分子科学討論会
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