2016 Fiscal Year Annual Research Report
分子/界面の構造機能解析に立脚した新規錯体系電極触媒の開発
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15H03853
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 眞一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 主任研究員 (80371087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 泰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 主任研究員 (30357983)
田中 真悟 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 研究グループ長 (50357448)
秋田 知樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 研究グループ付 (80356344)
朝日 将史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電池技術研究部門, 研究員 (90612169)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 錯体系電極触媒 / アノード / 第一原理計算 / 走査プローブ顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 燃料電池 / ポルフィリン / ロジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、Rhポルフィリン系電極触媒の機能を(1)分子それ自身の触媒作用と(2)界面における分子の振る舞いの二つに分けて解析し、得られた情報を基に高活性な分子電極触媒の開発を行うことを目的としている。 本年度は、反応中間体として考えられるRhポルフィリン-CO錯体の第一原理計算を行い、この錯体の配位様式及び想定している反応機構の妥当性を検討した。その結果、この錯体においてはRhからCへのπ電子供与もCからRhへのσ供与もどちらも強いことが分かった。対応するFeポルフィリン-CO錯体に比べてRhポルフィリン-CO錯体においてはC原子上のカチオン性が強く、反応機構で想定している水分子の求核置換が起こりやすいことが分かった。また、このような均一系でのCO酸化反応メカニズムに立脚した新規CO除去槽の提案を行った。このRhポルフィリンを用いるCO除去槽は、バッチ系の実験において98%以上のCO除去率を実現できた。 次に界面の影響を調べるため、ポルフィリン錯体/HOPG (Highly oriented pyrolytic graphite)の構造をAFM (Atomic Force Microscope)により観察した。RhポルフィリンとCoポルフィリンでは基板との相互作用が異なり、その結果、観測される分子の配向構造が大きく異なることが分かった。本触媒は燃料電池電極触媒で使用することを想定しているので、水系電解液で使用されることが想定される。そこで本年度は特に水の影響を解析し、水存在下での分子の基板に対する吸着安定性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は分光学的手法により提案していた反応中間体の性質や反応機構に関して第一原理計算からの妥当性を検証することができた。また、均一系のCO酸化反応を利用した新しいタイプのCO除去槽を見出すことができた。一方で、分子/界面の解析においては、分子の基板への吸着の安定性についてAFMを用いてこれまでにない知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分子に関する反応機構及び分子/界面の解析で得られた知見をもとに過電圧が極めて低いCO酸化電極触媒を開発する。一方で、分子/基板の機構解析に関しては、顕微鏡以外の手法でより全体的な情報を得ることを目指す。
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Research Products
(5 results)