2016 Fiscal Year Annual Research Report
DNA構造を基盤とした機能色素集積体の構築と光分子デバイスへの応用
Project/Area Number |
15H03884
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山名 一成 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (70192408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 忠雄 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (60511699)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | DNA / 光デバイス / バイオセンサー / 機能性色素 / 発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA構造を基盤として機能性有機色素を精密に配置、集積した分子構造体を構築し、分子配列によって制御された光捕集・光伝達・電子輸送機能を有するナノ構造体の作製と物性評価に関する研究を行い、機能化DNAを利用した光分子ナノデバイスの構築を目標として、構造体構築、物性評価、応用の観点から以下の点について研究を行った。1) DNA上に機能色素を配列したナノ集積体の構築と光物性の評価、2) 電子供与性・受容性を有する機能色素分子の交互積層体およびヘテロ集積体構造の作製、3) 光電変換機能を有するDNA電極の作製と評価、およびバイオセンサーへの応用。 核酸合成及びポスト修飾法を用いた核酸修飾法によって、ピレン、ペリレンジイミド、ポルフィリン、シアニン系色素等の機能性色素を組織化させた機能性DNAの作製と機能評価を行った。ペイレンジイミドを集積化したDNAを表面修飾した電極が優れた光電変換特性を示すことを見出した。さらに官能基を導入することで電子特性を制御したペリレンジイミド誘導体のヘテロ集積体を用いることで鋭敏な発光応答を示す核酸蛍光プローブの作製を行った。また、シアニン系色素の一つであるチアゾールオレンジを複数分子導入したDNAはそれらの分子の配列や配列に応じて発光特性が変化することを明らかにし、発光波長制御可能な機能性DNAの作製と蛍光センサーへの応用が可能であることが分かった。また複数のピレンをらせん配置させた集積構造体は優れた円偏光発光特性を示すことを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り、DNA化学合成法及びポスト修飾法を用いて、目的とする機能性分子を組み込み集積化させた核酸(DNA, RNA)誘導体の作製を行った。機能性分子としてペリレンジイミド、チアゾールオレンジ、ポルフィリン、ピレン等を組み込み、それらを持つDNAを修飾した電極の光電特性、発光性やバイオセンサーなどの特性評価を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでと同様、様々な機能性色素分子を導入した人工DNAの作製とその基礎的特性評価の研究を進め、さらに分子デバイスへの応用へと展開する計画である。特に、一次元分子集積体を作製し、その導電性特性や電荷輸送特性についての評価を積極的に行う予定である。また、発光性や円偏光発光などの光学特性については高速時間分解分光法を用いて明らかにする予定である。さらに、ヘテロ分子集積体の構築とそれらを用いた光電変換デバイスと光バイオセンサーへの応用について検討していく。
|
Research Products
(8 results)