2016 Fiscal Year Annual Research Report
力学的自己組織化による金属ナノコイル網の創製と機能性透明膜への展開
Project/Area Number |
15H03887
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村岡 幹夫 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (50190872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 徹 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (90195537)
足立 高弘 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (60344769)
野老山 貴行 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (20432247)
趙 旭 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (20650790)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 金属ナノコイル / 電磁波吸収 / 透明電極 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「研究の目的」欄記載の5つの研究項目の中で(Ⅱ)~(Ⅳ)について実施し、その研究実績は以下のとおりである。 (Ⅱ)電磁波吸収・機械的性質等の特性評価 白金マイクロコイル網を樹脂製透明シートに付着させた試料に対して、THz帯(遠赤外線帯)の電磁波吸収スペクトルを計測した結果、白金マイクロコイル透明シートは周波数の広範囲で良好な吸収能を有することが明らかとなった。また、吸収率はGHz帯に近づくほど大きくなる傾向を示し、マイクロ波(2.45GHz)吸収による高効率発熱現象との整合性を確認した。さらに、白金マイクロコイル網およびその透明フィルムについて、電気抵抗と機械的伸びの関係、機械的破壊挙動を明らかにした。 (Ⅲ)製造工程の最適化 犠牲型である樹脂ナノファイバの細線化により、平均コイル直径ではないが、1μm以下のナノコイルの形成頻度が増加することを確認した。また、ニッケル製マイクロコイル網の作製を試みた結果、コイル形成率が極端に低いことが明らかとなった。この原因の主なものとして、スパッタ製膜工程における初期真空度の低さ、つまりスパッタ時の真空チャンバ内で既に酸化が発生している可能性が考えられた。さらに、高電気伝導性の銀によるマイクロコイル網の作製については、樹脂の熱分解工程における銀膜の熱損傷の問題が明らかとなった。これに対しては、犠牲型樹脂ファイバの熱分解温度を低下するための事前吸湿による熱分解の促進や、低温分解樹脂の利用などの対策を検討し、改善の傾向を確認した。 (Ⅳ)透明フィルム化・塗料化 熱収縮リング集合体基板の導入により、金属ナノコイル網の大面積化の目処を得た。また、金属ナノコイル網の透明フィルムへの付着方法に関して、噴霧法を考案した。さらに、伸縮性透明電極フィルムのシート抵抗を低下させるため、白金マイクロコイル網に銀の被覆を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
犠牲型である樹脂ファイバの細線化に未だ課題が残り、その結果、平均コイル直径が1μm以下のナノコイル網が作製できていない状況にある。しかしながら、既に伸縮性透明電極フィルムや高効率の電磁波吸収透明膜の成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
樹脂ファイバの細線化と共に、ニッケルや銀などの白金以外の金属を用いたマイクロ/ナノコイル網の作製も継続的に取組む。また、塗料化やセンサへの応用に関して、分担者との連携を強化して計画通り、着実に研究を推進する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Fracture behavior of metallic nanocoil webs2016
Author(s)
X. Zhao, Y. Shitamura, and M. Muraoka
Organizer
Asia-Pacific Conference on Fracture and Strength 2016 (APCFS2016)
Place of Presentation
Toyama International Conference Center, Toyama
Year and Date
2016-09-19 – 2016-09-22
Int'l Joint Research
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