2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of advanced hybrid treatment for titanium alloy produced by three-dimensional printer
Project/Area Number |
15H03892
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森田 辰郎 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (90239658)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 三次元プリンター / チタン合金 / SLM / 複合表面処理 / 複合処理 / プラズマ硬化処理 / 短時間熱処理 / 微粒子衝突処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,三次元プリンター製チタン合金(以後,チタン合金3D材)を対象材料として,プラズマ硬化処理および微粒子衝突処理(FPB処理)による表面改質と本申請者が開発した短時間熱処理の複合化について学術的知見を蓄積し,先進型複合処理を確立することを目的としている.研究期間には,チタン合金3D材の基本特性を系統的に調べた後,上記の複合処理による耐摩耗性,機械的性質および疲労強度の総合的改善を目指す. 平成28年度には,チタン合金3D材に対する複合表面処理および複合処理の効果について系統的に調べた.具体的には,①プラズマ窒化および微粒子衝突(FPB)処理から構成される複合表面処理,②プラズマ窒化,短時間熱処理およびFPB処理から構成される複合処理,がチタン合金3D材の微視組織,硬さ分布,残留応力,耐摩耗性,機械的性質および疲労強度に及ぼす効果をそれぞれ詳細に調べた.その結果,上記の複合表面処理により,降伏強度の低下なしに,伸び,耐摩耗性および疲労強度の改善がなされた.また,複合処理により,静的強度,耐摩耗性および疲労強度の同時的改善がなされた. 得られた結果に基づき,平成28年度には日本材料学会第65期学術講演会(平成28年5月)で3件,The 17th International Conference of Experimental Mechanics(平成28年7月,ギリシャ)で1件,日本金属学会2016年(第159回)秋期講演大会(平成28年9月)で1件の講演発表を行った.また,2件の論文投稿を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「9.研究実績の概要」に記載したように,平成28年度に実施予定であった実験はすべて完了し,チタン合金3D材の各種特性に及ぼす複合表面処理の効果に係る結果が適切に取得された.また,当初計画では平成29年度に実施予定であったチタン合金3D材の各種特性に及ぼす複合処理の効果についても前倒しで研究を進め,有用な結果が得られた.以上のように,本研究は当初計画以上に進展している. 平成28年度には,国内学会での講演発表4件,国際会議での講演発表1件を行っている.その一方で,2件の論文投稿を進めているものの,論文掲載には未だ至っていない.以上を全般的に考慮し,現在までの進捗状況として「おむね順調に進展している」と評価した.
|
Strategy for Future Research Activity |
前記の通り,本研究の進捗状況はおおむね順調である.今後,取得した研究結果に基づき,下記の情報公開および研究を推進する. 1.論文投稿を積極的に行い,今後の学術的発展を目指して情報公開を進める. 2.当初目標を超えて,研究中に得られた着想に基づき,発展的に研究を進める.具体的には,高周波誘導加熱法を応用し,表面硬化処理と熱処理を同時的かつ短時間に実施可能な方法を模索する.これにより,具体的に応用可能な技術としての確立を目指す. 3.当該研究で対象としたチタン合金SLM(selective laser melting)材以外に,チタン合金EBM(electron beam melting)材に対する効果についても同様の検討を進め,応用範囲を拡大する.
|
Research Products
(5 results)