2016 Fiscal Year Annual Research Report
微空間で精密に創成した高安定ナノ熱収支場による次世代超平滑面の非接触高速欠陥評価
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15H03907
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 裕樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70606384)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 計測工学 / トライボロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ウエハ,ガラスマスク,超大容量磁気ディスクなど,表面粗さがサブnmレベルの次世代超平滑面(ナノ平滑面)に要求されるナノ欠陥検出実現を目的とし,微空間ナノ間隙における熱収支場(ナノ熱収支場)を利用して非接触かつ高速でナノ平滑面上の欠陥を検出する,全く新しい欠陥検出原理を提案し,また,レーザー光加熱援用型のセンサ素子で生成したナノ熱収支場による非接触での欠陥検知手法を新たに提案することで,測定対象であるナノ平滑面を基準面(データム)として利用するナノ間隙制御手法を確立すること,また,センサ素子加熱によるナノ熱収支場生成機能と共焦点光学系によるナノ間隙制御機能を融合したナノ間隙プローブを開発し,従来技術では困難であるサイズ10nm級のナノ欠陥検出・評価を実現することを目的としている. 2年目となる28年度は,提案手法の実現に必須となるナノ間隙プローブのプロトタイプ設計・試作に取り組んだ.前年度までに確立した露光プロセスをベースとして,ガラス基板上への熱収支場生成素子作成を試みた.2辺のエッジを落としたガラス基板を準備し,その上に素子を形成することでプローブへの組み込みを可能とし,測定面に相対する形で近接可能なナノ間隙プローブを実現した. また,シリコン基板平面上に形成したマイクロサイズの線状パターンを測定ターゲットとして用い,試作したナノ間隙プローブの基礎特性評価を試みた.上記測定ターゲットをステージに搭載して低速の相対直線運動(線速度50μm/s程度)を与えた際の素子出力変動より,測定面-素子間隙を数マイクロメートルに設定した際にも,その凹凸形状を非接触で検出できることを実験的に明らかにした.さらに,測定面に対する素子の傾きが素子出力に与える影響を実験的に確認した.この結果を踏まえ,コリメートレーザ光を用いた傾き検出による補正を試み,その効果を実験的に確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度の目標である,ナノ間隙プローブの設計・試作,およびナノ間隙プローブの基礎特性評価を,申請書の計画とおりに遂行できたことから,概ね順調に進んでいるものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる29年度は,当初の予定どおりに,前年度に試作したナノ間隙プローブを搭載したナノ平滑面計測評価システムの構築に取り組む. 【ナノ平滑面計測評価システムの構築】 高速ナノ欠陥検出実現に向け,ナノ平滑面上で試作プローブをスパイラル走査するための,精密スピンドル・スライドからなる実験システムを構築する.試作プローブを精度良く搭載するための傾斜角補正機構を含むジグを設計するとともに,装置機構をリアルタイム同期制御するためのソフトウェアシステムを構築する. 【ナノ平滑面の計測評価】 上記で準備した装置機構に試作プローブを搭載して,まずはナノ平滑面を基準面(データム)とした間隙制御の精度を確認する.次に,ナノ平滑面上のナノ凸型形状,ナノ凹型形状検出・評価を試み,本研究の提案手法の有効性を明らかにする.更に,素子への引加バイアス電流,素子-ナノ平滑面間の相対速度及びナノ間隙量などをパラメータとした実験で,最適な測定条件を模索する.
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Research Products
(8 results)