2016 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦調整剤としてRBセラミックス粒子を活用した水中用先進ゴム複合材料の開発
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15H03908
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀切川 一男 東北大学, 工学研究科, 教授 (60173605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50332515)
柴田 圭 東北大学, 工学研究科, 助教 (60612398)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RBセラミックス / ゴム / 摩擦 / 水中 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では,平成27年度に作製した複合材料の水中における摩擦摩耗特性を幅広い荷重,すべり速度条件のもとで明らかにすることにより,水中で低摩擦,優れた耐摩耗性を示す好適なRBセラミックス粒子の配合条件を明らかにすることである.平成28年度の研究により得られた結果は以下の通りである. (1) EPDM/RBC複合材料の摩擦係数は,RBセラミックス粒子の平均粒径によらず,RBセラミック粒子の充てん率の増加に伴い減少する.特に,低すべり速度(0.01m/s)において,RBセラミックス粒子未充填のEPDMの摩擦係数が1.9であったのに対して,平均粒径35μmのRBセラミックス粒子を40mass%充填したEPDM/RBC複合材料の摩擦係数は0.05であり,飛躍的な摩擦係数の低減が見られた. (2) EPDM/RBC複合材料の水中における摩擦係数に及ぼすRBセラミックス粒子の平均粒径の影響は,RBセラミックス粒子の充てん率の影響に比べて,小さい. (3) 走査型電子顕微鏡による観察により,低すべり速度におけるRBセラミックス粒子未充填のEPDMの摩擦面は摩擦試験前に比べ粗くなっており,摩耗している様子が確認された.一方,同条件におけるEPDM/RBC複合材料の摩擦面には摩耗の様子は確認されず,このことから,良好な水膜が形成されていることが示唆された. (4) EPDM/RBC複合材料では,RBセラミックス粒子を充填することで,複合材料表面の油溜まり深さおよび表面に存在する気孔が増加し,水膜が形成されやすくなることによって,動圧効果による水膜形成が難しい低すべり速度条件においても低摩擦が実現されたと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は当初計画通り,EPDM/RBC複合材料の水中における摩擦摩耗特性を明らかにするとともに,水中で低摩擦,優れた耐摩耗性を示すRBC粒子の好適配合条件を明らかにできたため,当初の目標に対して順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度では,平成28年度で明らかとなった好適な配合条件のもとで作製したEPDM/RBC複合材料を用いて,ステンレス鋼製のシャフトに対する水中すべり摩擦試験を行う.広範なすべり速度条件において実験を行い,回転開始時の起動トルク,定常すべり時の摩擦係数,軸受及びシャフトそれぞれの摩耗量計測により,水力発電機用の封水用すべり軸受や船舶用の船尾管軸受などへの同複合材料の実用可能性を検討する.
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Research Products
(5 results)