2016 Fiscal Year Annual Research Report
スタビライザ効果の理解に基づくスタビレス無人ヘリコプタと飛行制御系の開発
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15H03947
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 弘明 京都大学, 工学研究科, 講師 (50283635)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 無人ヘリコプタ / スタビライザ / フラッピング運動 / 飛行制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
サブテーマ(1) 「ロータブレードのフラッピングと機体運動モデルの構築」において,スタビレス化した機体にパルス操舵を加える飛行実験を行った結果,極めて大きく時定数の早いカップリング応答が存在することが明らかにした.スタビレス機の飛行制御系にはブレードフラッピング運動と機体運動の相互作用のモデル化が重要となるため,ブレード翼素理論によりブレードフラップ角を含んだ機体の運動方程式を導出した. 飛行実験結果とモデルの挙動を比較することにより,スタビレス機の挙動には誘起速度の非一様分布が大きな影響をもつことを明らかにした.導出した運動方程式の低次元化にはフラッピング運動の高周波成分を無視あるいは特異摂動法が有効であることを示した.サブテーマ(2)「ダイナミクスベース航法システムによるロータフラッピング運動の推定」では,低次元化したモデルに基づいて,無風時におけるブレードフラップ角の推定機構を構築した.さらに,サブテーマ(3)「スタビライザを超越する知的ロバスト適応飛行制御の実現」では,低次元化モデルを用いて,逆ダイナミクス変換法により飛行制御系を構築した.飛行実験により,構築した飛行制御系は適切に機能することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ(1) 「ロータブレードのフラッピングと機体運動モデルの構築」において,飛行制御系構築を目的としたために,ブレード翼素理論を用いてブレードフラッピングの運動方程式とスタビレス機の運動方程式を構築することができたために,スタビレス機の飛行制御系を構築し,その飛行制御実験もすでに実施し,スタビライザ付きよりも操舵追従速度が大きく,かつカップリング応答も少ない,極めて操作性の高い制御系が構築できた.サブテーマ(2)「ダイナミクスベース航法システムによるロータフラッピング運動の推定」 についても検討をすすめ,低次元化したモデルを用いて推定器を構築した.推定機構を用いた飛行制御を現在行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果によりロータフラッピング運動に対する対気速度が影響することが明らかになった.これには風が大きな影響を与える. このため,適応フィルタや外乱オブザーバなどの推定機構に関しても研究を実施する.
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Research Products
(6 results)