2015 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電力技術を用いた両極性パルスイオン加速器の開発とパルスイオン注入技術の創成
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15H03961
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊藤 弘昭 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (70302445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 隼人 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 講師 (60596659)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 両極性パルス加速器 / パルス重イオンビーム / パルス電力技術 / パルスイオン注入法 / レーザーイオン源 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代半導体デバイス開発に重要なイオン注入とアニール処理が同時に行えるパルスイオン注入法の実証実験を行うために、半導体ドーパントとして機能するイオン種を有する高出力パルス重イオンビーム発生技術が必要となる。この発生技術の開発を目指して今年度は両極性パルス加速器とp型ドーパントとして機能するアルミニウムパルスイオンビーム源に使用するイオン源であるレーザーイオン源の開発を中心に行った。 両極性パルス加速器においては、n型ドーパントとして機能する窒素ビーム発生を目指している。まず、正負の高電圧パルスを発生できる両極性パルス電源を装置に組み込んだりして整備後、その特性評価を行った。しかし、実験途中でイオン源として使用しているガスプラズマガンの調子が悪くなり、その原因を調査するとともに再調整を行った後、両極性パルス加速器によるパルス窒素イオンビームの加速実験、およびビームの特性評価を行った。その結果、イオンビーム電流計測や走行時間差法によって両極性パルス電圧によって窒素イオンビームが加速されていることは実証することができたが、計画外のプラズマガンの調整があったため、パルスイオンビームの詳細な特性評価ができず、最適条件を見つけることができなかった。一方、レーザーイオン源においては、QスイッチYAGレーザーの2倍波(波長532nm)を利用し、発生するアブレーションプラズマから引き出されるイオンの特性をレーザーパラメータの依存性を評価したが、パルス重イオンビーム装置に組み込むための性能を満たすことができなかったので、レーザーイオン源の改良を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画として予定していなかったイオン源であるガスプラズマガンの調整や評価を行ったため、実験計画が全体的に遅れてしまった。そのためp型ドーパント用パルス重イオンビームに使用するレーザーイオン源の性能が目標値までに到達しなかったためイオン源の改良まで取り組むことができず、パルス重イオンビーム発生装置に組み込むことができなかった。また、n型ドーパント用として開発している両極性パルス加速器においては、窒素イオンビームの加速には成功したが、最適な条件を見つけ出すには至らなかったので、次年度もビーム評価を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ひとまず遅れが生じているp型ドーパント用のレーザーイオン源の性能向上に向けて装置の改良を行い特性表実験に取り組み、パルスイオン注入の実証実験が可能となるようにp型ドーパント用のパルス重イオンビーム発生装置を開発し、その特性評価を行う。さらに、両極性パルス加速器の最適動作条件を見つけ出し、半導体材料へのパルスイオンビームの照射効果を検証することを目指す。今後の研究においては、実験の遅れを少しでも取り戻せるように実験計画に若干の修正を加えて効率的に実験が行えるようし、本課題の目標達成を目指す。
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Research Products
(10 results)