2016 Fiscal Year Annual Research Report
A MEMS Tunable Resonator Array for THz Spatial Modulators
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15H03984
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
年吉 洋 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50282603)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MEMS / THz / マイクロマシン / テラヘルツ光 / メタマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「MEMS可変共振子アレイによるテラヘルツ光空間変調デバイス」と題し、微小電気機械システム技術を用いてテラヘルツ光向けの可変透過光学フィルタの設計・製作・評価を実施するものである。周波数100GHzから10THzのテラヘルツ周波数帯では、物質の分子構造によって吸収スペクトルが敏感に変化するため、特定波長の透過率から材料組成の推測が可能である。ただし、同技術の普及には、テラヘルツ光学系の小型化・高機能化が必要であることから、本研究ではテラヘルツ光を空間走査する透過型の変調器をMEMS技術で実現する研究に取り組む。 平成28年度当初予算分の研究では、平成27年度に設計したデバイスを実際に製作する研究を行った。デバイスの作製には、ガラス基板上に金属材料系の表面マイクロマシニング技術を使って集積化するための設計・製作技術を製造誤差の影響も含めて設計・製作技術を構築した。とくに、フォトレジストを犠牲層として、金属(Cr/Au)の構造体を酸素アッシングでリリースする方法を採用し、歩留まり90%を実現した。また、素子内のキャパシタ材料を静電破壊しないように、10V程度の定電圧(電界強度1MV/m以下)でMEMS-SRRを静電駆動することに成功した。さらに、共振子によるテラヘルツ光の反射だけでなく、特定周波数のみを吸収する素子アレイの基本構造に関しても設計指針を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度繰越分の研究により、THzフィルタを高Q値化する設計理論を十分にすることができ、それを速やかに表面マイクロマシニングによるデバイス製作に結びつけることができたため。また、フィンランドVTT技術研究所と開始した共同研究により、高分解能でパターンを転写できるリバースオフセット印刷技術を用いて大面積でTHzフィルタパターンを形成する手法に着手し、10μm程度の設計ルールによるデバイス製作を実験により検証できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実施計画書に予定の内容である、(3)テラヘルツ光走査のためのMEMS-SRR駆動パターン設計と、(4)MEMS-SRRアレイによるテラヘルツ光スキャン特性の評価を実施する。特に(4)に関しては、また、テラヘルツ光カメラを疑似カラー化するフィルタに関しては、フィンランドVTT技術研究所から研究員1名を短期間招聘し(1年間に1ヶ月程度)、デバイス評価に関して共同研究を実施する。
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Research Products
(2 results)