2016 Fiscal Year Annual Research Report
大画面で広視域な表示を可能にするマルチ視域走査型ホログラフィーの研究
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15H03987
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高木 康博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50236189)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ホログラフィー / ディスプレイ / MEMS / レーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成27年度に実現した回転型の平面スキャナに比べて機械的移動量が小さい振動型の平面スキャナの実現について研究を行った。振動型スキャナの実現方法として、3枚のレンズアレイで構成する方法を提案した。レンズアレイを構成する各レンズに対して正立等倍結像系を構成し、両端のレンズアレイを水平に反対方向に動かすことで、出射する光の進行方向を水平方向に偏向させる。レンズアレイの移動量は、レンズアレイのレンズピッチ以下でよいので、機械的移動量を小さくできることが特徴である。実験では、レンズアレイのアレイ構造に起因する光の回折が影響しないように、レンズピッチが0.7 mmのレンズアレイを用いた。レンズアレイ間の距離を光学設計ソフトで最適設計し、光の偏向角±20度を実現し、マルチチャンネル視域走査型ホログラフィックディスプレイの水平スキャナとして用いるこができることを確認した。ただし、大画面化した場合に、画面の場所によりムラが生じることが問題になることがわかった。 マルチチャンネル視域走査型ホログラフィーのカラー化について研究を行った。光源にRGBの3つのレーザを用い、空間光変調器として用いるDMDのフレームレートが十分に高いことから時分割方式でのカラー化を行った。DMDの表示面はマイクロミラーが並んだBlazed回折格子構造になっているので、波長によって光の回折角が異なる。そこで、本研究では、波長によって照明方向を変えることで回折方向を一致させた。この方法は、RGBレーザ光の合波に光カップラを必要とせず、光カップラによる光損失がない点で優れている。平成27年度に実現した2チャンネル表示システムに対応して、2つのRGBレーザ照明システムを実現した。ただし、DMDのBlazed角に個体差があるため、それぞれのチャンネルでBlazed角を測定し照明方向を設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
振動型の平面スキャナの実現方法について研究を行い、実証実験により、マルチチャンネル視域走査型ホログラフィーに利用可能であることを示した。また、問題点を明らかにした。 カラー化については、回折を用いたRGB合波法を実現した。2チャンネル分の照明システムを作製した。 以上のように、概ね研究計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2チャンネル表示システムのカラー化には、表示面のムラが小さい回転型の平面スキャナを用いることにする。
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Research Products
(7 results)