2017 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境用ダイヤモンドナノマシンロジック回路基盤技術の構築
Project/Area Number |
15H03999
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
廖 梅勇 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (70528950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 雅也 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40509890)
小出 康夫 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, 部門長 (70195650)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MEMS / NEMS / 品質因子 / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、以前に解明したエネルギー散逸機構に基づいて、超高品質値のMEMS/NEMS共振子を開発しました。 イオン注入アシストリフトオフ法によって作製したダイヤモンドMEMS共振子はイオン注入による欠陥層が含まれ、共振ピークは広く、Q値は1,000 程度と低かった、そこでQ値を向上するために、二つの方法を開発した。 一つ目の方法は、イオン注入によって誘起された欠陥層の上部に厚い高結晶品質ダイヤモンドエピ層を成長させ、欠陥層の影響を低減させる方法である。ダイヤモンドエピ層の厚さが増加すると、Q因子が向上していることがことを確認できた。エピ層の厚さが1.81 マイクロメールの時、Q値は30,000に到達した。二つ目の方法は、イオン注入によって誘起された欠陥を完全に除去する方法である。本手法を用いることで、ダイヤモンドエピ層のみで構成された機械共振子を作製できた。ダイヤモンドカンチレバー共振子の底部の欠陥層を除去するために、酸素雰囲気中でアニール処理をした。 共振周波数の変化とカンチレバーの厚さを評価したことで、ダイヤモンドのエッチング速度を評価した。アニール処理は、酸素雰囲気中で500℃、380時間行った。アニール処理後のカンチレバーの厚さを見積もった結果、約1.44μm減少していることが明らかとなった。Q値 は410,000以上であり、Q値が著しく改善していることが確認できた。これらの結果より、カンチレバー底部の欠陥層が大きいエネルギー損失を誘導し、Q値を低下させていることが明らかとなった。よって本研究では、単結晶ダイヤモンドのみでカンチレバーを作製し、カンチレバー底部の欠陥層を除去することで、非常に高いQ値を得ることに成功した。また本研究にて得られたQ値はこれまでに報告されてきた多結晶またはナノ結晶ダイヤモンドカンチレバーのQ値よりも遥かに高い値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高品質ダイヤモンド機械共振子の製造は、ダイヤモンドNEMSスイッチを開発する鍵である。 超高品質係数共振子を開発した。 また、ダイヤモンドMEMSスイッチにため新アクチュエータを製作しました。 上記の結果はプロジェクトの計画に含まれています
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度に開発した高品質因子の改善の技術の上に、超高品質値MEMS/NEMS共振子の開発とNEMSスイッチのスイッチ電圧の最適化を研究する。 具体的には、 超高品質因子(>100000)単結晶ダイヤモンドマクロおよびナノ可動構造体の作製の上に、MEMSスイッチの性能を調べる。さらに、電気的方法(周波数混合技術)によってNEMSスイッチ構造をスイッチングオン電圧、速度、回数などと可動構造体のディメンションの依存性を評価する。単結晶ダイヤモンド電子機械スイッチング構造は600℃以上の高温下でオン電圧、漏れ電流を測定する。
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Research Products
(13 results)