2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of High Resolution Directional Characteristics of Radio Propagation Channels for Microwave and Millimeter Wave Mobile Communications
Project/Area Number |
15H04003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 潤一 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90222083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Kim Minseok 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40467030)
齋藤 健太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (40756665)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電波伝搬 / マイクロ波 / ミリ波 / 移動通信 / 角度チャネルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 高い角度分解能で電波伝搬特性を測定するチャネルサウンダの構築:12GHz帯用に現有するベクトルネットワークアナライザと前年度本研究費で製作したアレーアンテナを用いて屋内用チャネルサウンダを構築した.併せて他経費により購入した32GHz帯用高利得アンテナを流用し,ベクトルネットワークアナライザと組み合わせてチャネルサウンダを構築した.12GHz帯および32GHz帯で特定実験試験局免許を取得した. (2) 散乱物体の幾何データ取得方法に関する調査:主要な伝搬経路に対応する散乱物体に絞って幾何データを取得する方法を再度検討し,比較的安価で,表面データをCAD形式で直接出力できる3次元レーザ測定器が相応しいと判断した. (3)移動通信環境を対象とした高角度分解能の電波伝搬特性の測定と散乱経路の同定:60GHz帯における屋内外の様々な伝搬環境を昨年度に引き続き測定した.一部の環境においては2.4GHz帯で比較測定も行った.実験で得られた角度遅延電力スペクトルあるいは空間周波数伝達関数から散乱経路推定を高分解能で高速に行うため,CLEAN法およびRIMAX法のプログラムを実装した.全立体角カメラで撮影した環境画像と組み合わせ,散乱経路の高分解能同定に成功した.また高分解能推定された伝搬角度・遅延情報から幾何光学理論と環境CADデータを用いて散乱点を推定し,散乱点位置を用いてクラスタ化する手法を提案し,確率的通信路モデル化に応用し,より高性能なモデルが実現されることを明らかにした. (4) 測定環境における散乱物体の幾何データを用いた散乱波の予測方法の確立:すでに確立されている三角メッシュに対する物理光学法のシミュレーション手法を試行的に実装し,十分な計算精度が得られることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 高い角度分解能で電波伝搬特性を測定するチャネルサウンダの構築:12GHz帯用チャネルサウンダはアレーアンテナへの給電をファイバ無線技術を用いて実装したが,まだ技術が未成熟であり,ファイバ端部での反射や温度による位相回転などチャネルサウンディングに障害となる技術課題をひとつずつ解決するのに時間がかかり,当初予定していた動的環境における実測が開始できていない. (2) 散乱物体の幾何データ取得方法に関する調査:担当学生がうつ病で年度半ばから大学に出て来なくなり頓挫していた. (4) 測定環境における散乱物体の幾何データを用いた散乱波の予測方法の確立:平滑面に対する物理光学法のシミュレーション手法は確立しているが,こちらも担当学生が急に長期海外研修に出てしまい,粗面の表面プロファイルの計測およびシミュレーションについては検討が止まってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 高い角度分解能で電波伝搬特性を測定するチャネルサウンダの構築:12GHz帯用チャネルサウンダは,現在,ほぼ測定の障害となる課題が解決し,準静的環境による動作確認を開始したところである. (2) 散乱物体の幾何データ取得方法に関する調査:平成29年度から別途に開始したドイツ・フラウンホーファー集積回路研究所およびイルメナウ工科大学との超広帯域電波伝搬特性に関する共同研究の中で,彼らが様々な測定装置ですでに試行を行っていることを知り,彼らとの議論の結果として,3次元レーザ測定器が現時点ではもっとも有効な手段と確信した.今後電波伝搬特性測定の際に3次元レーザ測定器をレンタルし,幾何形状の同時取得を行って有効性を確認する. (4) 測定環境における散乱物体の幾何データを用いた散乱波の予測方法の確立:散乱物体の幾何データが(2)のように取得できれば,物理光学解析自体は実施可能である.粗面の表面プロファイルについては,機械計測の研究室などに協力を仰いで,引き続き測定法を検討する.材料の不均一性の影響については,本研究とは別途に平成28年度に企業と行った準ミリ波の無線伝送特性に関する共同研究の中で一部検討をする機会があり,そこで得られた予備的な知見を元に,より詳細な実験で影響の検討を行う.
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Research Products
(24 results)