2016 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物に対する劣化外力の評価を目的とした広域暴露試験
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15H04026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浜田 秀則 九州大学, 工学研究院, 教授 (70344314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一宮 一夫 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 教授 (00176306)
佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508)
山路 徹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (10371767)
羽渕 貴士 東亜建設工業株式会社技術研究開発センター, -, 研究員(移行) (10446924)
松田 浩 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20157324)
伊代田 岳史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20549349)
山本 大介 九州大学, 工学研究院, 技術専門職員 (40398095)
小山 智幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50215430)
山口 明伸 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50305158)
尾上 幸造 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (50435111)
審良 善和 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (60639376)
山田 義智 琉球大学, 工学部, 教授 (80220416)
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90253484)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 塩害環境条件評価 / 長期暴露試験 / 塩害劣化 / 塩分浸透 / 電気化学的性質 / 耐久性能照査 / 気象条件 / 腐食量指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
6年間の暴露を継続してきた試験体の劣化評価試験を実施した。評価試験の項目は、1)外観性状の変化、2)モルタル中への侵食性物質の侵入(塩化物イオン、硫酸イオン、二酸化炭素)、3)モルタルの化学的変質、4)埋設鉄筋の電気化学的性質(自然電極電位、分極抵抗、アノード分極曲線、カソード分極曲線)、5)埋設鉄筋の腐食、である。一方、暴露環境の気象条件を公開情報から収集した。その項目は、1)気温、2)湿度、3)風向・風速、4)海岸線からの距離、などである。この双方のデータを比較検討することで、気象条件と劣化状況の間に存在する関係を考察した。 続いて、腐食量指標の検討を行った。腐食量は腐食速度と腐食進行期間の2つのパラメターより計算される。腐食速度は,速度定数と反応物質の濃度(供給量)の積で計算される。コンクリート中の鉄筋の場合,腐食進行期間はコンクリート中の塩化物含有量の時間推移から求める。また,腐食速度は鉄筋表面の不動態の状況、ならびに反応物質の濃度(酸素の供給量)が支配要因になる。したがって,これら3つのパラメターに関する情報を供試体より取得し,それに基づき腐食量指標を考察した。さらに、実際の腐食量と腐食量指標を比較検討し,その妥当性を検討した。すなわち、①モルタル中の塩化物含有量より腐食進行期間を推定した。また,②分極抵抗より速度定数に関する情報を,③定電位ステップ試験より酸素供給量に関する情報を得た。そして,分極抵抗の結果と定電位ステップ試験の結果を総合的に評価することにより,腐食速度に関する情報とした。さらに,腐食進行期間と腐食速度の両者から腐食量指標を導いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
暴露試験体の評価試験を順調に進めている。次年度は、成果のとりまとめを行うことができる。さらには、設計基準への導入、成果の海外展開についても検討を始めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
成果のとりまとめと公表を進める、設計コードへの展開、また、海外への情報発信を開始する。
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