2016 Fiscal Year Annual Research Report
道路網の巨視的な交通量-密度関係の特性解明とそれに基づく交通流制御
Project/Area Number |
15H04053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健太郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (20706957)
長江 剛志 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30379482)
井上 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60401303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交通工学 / MFD / 渋滞 / リアルタイム制御 / 流入制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,MFDの基本特性および再現性の高い“well-defined MFD”成立の条件を解明し,それを用いた渋滞制御法を開発することを目的とする.より具体的には,①国内主要都市における路側感知器等による大量・長期間の交通観測データを系統的に分析することによって,MFD の基本特性を実証的に特徴づけ,②適切なサブ・エリア(都市内道路網を複数領域に分割したサブ・ネットワーク)毎にwell-defined MFD を構成するための方法を観測データと数理モデルの両面から明らかにし,③サブ・エリア単位のwell-defined MFDを活用したリアルタイム渋滞制御法を開発する. H28年度は,上記②のために,前年度分析で得られた MFDの基本特性を論理的に理解するための計量分析及び数理解析を実施した.より具体的には,京都市及び那覇市の MFD におけるヒステリシス・ループや渋滞領域の出現メカニズムを,渋滞パターンの進展や渋滞延伸数の増加と関連付けて,定性的・定量的に明らかにした.これらの結果から,well-defined MFD構成には,必ずしも単純な集計的情報だけでは十分ではなく,より詳細レベルの空間的渋滞パターンを基にしたサブエリア分割が有効であることが明らかとなった.また,動的均衡配分を仮定した数理モデル分析によって,多起点・1終点/1起点・多終点構造ネットワークにおける車両存在台数とトリップ完了流率の関係を解析する方法を構築した.これによって,(1)トリップ完了流率が,渋滞パターンを表す縮約ネットワーク構造,OD分布・OD旅行時間の変化率により特徴づけられること,(2)トリップ完了流率の低下が,待ち行列の延伸による終点流入フローのブロッキングおよび終点流入リンク容量に占める通過交通量の増加により引き起こされること等,が理論的に明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的および研究実施方法に記した H28年度の研究予定事項に関して,実際に成果が得られ,その成果を学会での研究発表および学術専門誌掲載の研究論文として公開している.
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度の研究の進展状況はほぼ順調であり,H29年度も申請した研究計画に(ほぼ)沿って研究課題を遂行する予定である.
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Research Products
(19 results)