2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04062
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 葉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00220351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 勝也 東北大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00271883)
山田 圭二郎 金沢工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00303850)
岡田 智秀 日本大学, 理工学部, 教授 (10307796)
佐々木 邦明 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30242837)
宮脇 勝 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30280845)
福井 恒明 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40323513)
羽藤 英二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60304648)
星野 裕司 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70315290)
山口 敬太 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565531)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 景観まちづくり / 都市計画 / 景観認識 / 地域認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
それぞれが連携して進めた研究成果を学会と勉強会を通じて深化させた。学会発表では2015年6月の土木計画学研究発表会にて「地域景観まちづくりの役割と手法を考える」と題したセッションを企画し、12編の発表をえた。2015年12月の土木学会景観・デザイン研究発表会では、多面的な研究成果の発表と議論を行った。また2015年8月には早稲田大学にて研究分担者の宮脇勝を講師とした「地域景観まちづくりの概念と手法に関する勉強会:ヨーロッパにおけるLandscapeの研究と計画手法について」を開催した。主な研究成果は以下のように整理できる。
①地域景観特性の分析手法の展開:環境自体の特性をあぶり出すための広域あるいは長期的時間経過を含めた地域景観を対象とした景観特性分析の方法論。②主体によって認識される地域資源という概念の吟味とその調査手法:認識の概念整理および地域認識の調査方法と得られる認識の関係性。経験資源モジュール(EPM)という独自の概念による調査手法。③地域空間構造と行動、認識の関係性分析の手法:地域開発史と空間構造のネットワーク分析の対応による行動傾向の把握。散策行動の定量的モデル化と地域景観の価値評価。④地域景観資源の維持・保全・創造主体の関係性の調査分析:田園景観保全に資する主体の活動意義と持続要因。地域行事・経済活動の実態と地域運営主体の価値観。空間と活動のマネジメントとしてのルールの構造分析。⑤日常生活圏での認識の構造の分析手法:記憶された経験の特性把握のためのテキストの分析手法。日常行動(購買)によって形成される記憶の特性分析手法。⑥海外におけるパブックスペースデザインにおける意図と手法。
以上のように平成27年度は、具体的なフィールドの詳細調査と分析から、地域景観まちづくりの実践に重要となる視点、評価軸、分析手法を多面的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、具体的なフィールドを対象とした詳細な調査分析の成果が多数得られた。それらは、地域の物理的環境特性から主体の内面的な認識まで連続的に存在する地域景観認識研究の複数のアプローチを広くカバーしている。その点で、戦略的地域景観まちづくりを支える理論的基盤が形成されつつあると言える。また同時に、各研究はいずれも具体的な地域における空間整備、マネジメント、活動支援などにおいて具体的示唆を得ることを目的として行われている。そのため、戦略的地域景観まちづくりの実践手法の開発に直接的に資する要素的成果が得られていると言える。また、海外での手法、事例の参照、対照によって、日本の地域景観まちづくりの位置づけを議論するための視点が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は、これまでに得られた個別の研究成果を横断する理論化の吟味と、具体的な個別調査分析手法の体系化、パッケージ化を図る。そのために、個別の研究成果の意義と位置づけを深く議論する。これはできる限り公開で行い、他分野の講師を交えることで、多面的でかつ包括的な概念構築を目指す。また実践手法としての側面からは、個別具体の手法のケーススタディを進めるとともに要素手法の組み合わせによるパッケージ化の枠組みを構築する。 以上の研究は、地域特性の異なる複数のフィールドで同時並行で進めていく。
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Research Products
(33 results)