2017 Fiscal Year Annual Research Report
近代産業都市の居住地形成に関する思潮・理論の日本への伝播についての研究
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15H04106
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中江 研 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (40324933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木方 十根 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50273280)
角 哲 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90455105)
崎山 俊雄 東北学院大学, 工学部, 准教授 (50381330)
池上 重康 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30232169)
砂本 文彦 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70299379)
中野 茂夫 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00396607)
小山 雄資 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (80529826)
平井 直樹 清水建設株式会社技術研究所, その他部局等, 研究員 (50724481)
山本 一貴 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90533977)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 田園都市 / 工業都市 / 社宅街 / 同潤会 |
Outline of Annual Research Achievements |
第3年度はこれまでの資料収集・分析から重要とみられる人物や動向に焦点を当てて,さらに詳細な資料収集および現地調査を進めた。 ドイツのジードルンクをどのように理解していたかという観点から,前年度からの継続で,山田守著『ジードルンク』(1933年)とそれに挙げられる膨大な参考図書について調査・分析を進めた。ドイツ・ベルリン国立図書館,ベルリン工科大学図書館等にて調査し,およそ9割程度の文献を収集した。並行して,これまでに収集し得た文献と『ジードルンク』との比較精査,ならびに,『ジードルンク』よりも前に山田が発表したジードルンク論との比較精査を進め,ジードルンクに関する情報の 山田による把握の様態について考察した。 三井文庫の三井鉱山系企業社宅街についての資料収集を前年度から継続して進めた。これらからは海外情報との直接的な接点は見いだせなかったが,間接的には参考にしていたことが確認された。 雑誌メディアにおける海外事例の紹介状況の観点からは,1941年の『建築雑誌』に記事として紹介されているドイツ・ヴォルフスブルク/Kdf-Wagens市の形成について,フィンランド・コトカの旧スニラパルプ工場の社宅・福利施設について現地調査・資料収集を行い,現地の状況がどこまでリアルタイムで日本に紹介されていたかを把握した。 当時,海外に派遣された人々の直接の見聞の状況把握については,のちに桑原工業事務所で産業施設の建設などを担った建築家の山口半六が,明治初期に文部省から派遣されたパリのエコール・サントラルでどのような教育を受けたのかについて,当時の同校の講義記録等について現地調査・資料収集を行った。また八幡製鉄所を建造したことで知られるドイツのGHH社に関しても,ライン・ヴェストファーレン経済史料館所蔵の同社のアーカイブから日本人の来訪記録を博捜し,戦中期に複数の日本人の技術者等の来訪が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の状況から文献資料調査で把握すべき図書がかなり多く,全体の把握にはさらに時間を要することが想定された。そのため,これまでの資料収集・分析から重要とみられる人物や動向に焦点を当て,それらについてさらに詳細な資料収集および現地調査を進めることとした。それらが個々,成果を上げつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため,これまでの資料収集・分析から重要とみられる人物や動向に焦点を当てて,必要に応じて補足的な調査を行いつつ,成果を取りまとめていく。
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Research Products
(3 results)