2016 Fiscal Year Annual Research Report
Opt-electrical properties of nanodiamond films and their application to photovoltaics
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15H04127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉武 剛 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (40284541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 博之 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (30192206)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノダイヤモンド / 光電変換 / 半導体 / 薄膜 / 物理気相成長法 / 同軸型アークプラズマ堆積法 |
Outline of Annual Research Achievements |
超ナノ微結晶ダイヤモンド/水素化アモルファスカーボン混相(UNCD/a-C:H)膜は,a-C:Hマトリクス中に10 nm以下のUNCD結晶が無数に分散している構造をもつ.このUNCD/a-C:H膜は,可視から紫外域にわたって大きな光吸収係数を示し,光電変換材料としての応用が期待される.これまでに化学気相成長法とパルスレーザー堆積法により作製されるUNCD/a-C:H膜に関して,ホウ素と窒素のドーピングによるpとn型化が報告されている.しかし,そのドーピングやキャリア伝導の機構にはまだ不明な点が多い.また,本研究で用いられる同軸型アークプラズマ堆積(CAPD)法は大面積化が容易で膜堆積制御性に優れるが,UNCD/a-C:H膜のn型伝導化のためのドーピングは未開拓である.CAPD法によって作製したn型UNCD/a-C:H膜に関して,膜の電気特性と微細構造との相関を種々の分光法により明らかにした。具体的には以下の通りである。 窒素ドーピングによるn型伝導化とドープ量に対する大幅な電気伝導度の増加を実証した.異なるドープ量の膜の化学結合状態を光電子分光,X線吸収端近傍微細構造およびフーリエ変換赤外分光測定により詳細に調べることで,UNCDの粒界に偏在する水素原子が窒素原子によりC=NとC-N結合を形成することで置換されること,およびsp2結合の割合が増加することが,n型化と電気伝導度の向上に寄与すると考えられる.また,キャリア伝導は局在する準位間のホッピング伝導が優勢であることを電気伝導度の温度依存性から明らかにした. 理論計算によりダイヤモンドの有望なn型ドーパントとされるリチウムとリンの共ドーピングを,Li3PO4が添加されたグラファイトターゲットを膜作製に用いることで行った.このドーピングによりn型伝導化できる一方で,膜の酸化が著しく起こってしまうことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホモpn接合形成の基盤となる知見と技術が着実に得られた。 少数キャリアのライフタイムの研究も宮崎大学福山教授のグループと研究を進め,少数キャリアのライフタイムに大きな影響を及ぼす構造的ファクターが明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ホモ接合の試作はすでに着手している。ホモpn接合としての動作を疑いなく実証することにまずは注力する。したがって,横型でのon接合の形成をまずは目指している。 実証後は,通常の縦型へのホモpn接合に移行する予定である。少数キャリアのライフタイムの結果等をもとに,光電変換特性の改善を目指していく。
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Research Products
(20 results)