2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱応力と表面波フェーズドアレイによる閉じた表面き裂の非線形超音波映像法の創出
Project/Area Number |
15H04139
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 良和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90520875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 一司 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00292227)
辻 俊宏 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70374965)
三原 毅 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20174112)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 非破壊検査 / 閉じたき裂 / フェーズドアレイ / 表面波 / 熱応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造物の表面波は最も欠陥が発生しやすいため、表面き裂の高精度計測が信頼性保障の要である。しかし、発生初期の表面き裂は閉じていることが多く、超音波を透過してしまうため、従来法では検出できない。そこで、これまで開発してきた閉じたき裂の映像法を飛躍的に発展させ、世界に先駆けて「熱応力と表面波フェーズドアレイの融合による閉じた表面き裂の非線形超音波映像法」を創出し、閉じた表面き裂の検出感度の飛躍的向上と長さの高精度計測を実現することを目的とする。本年度は下記3項目を実施した。
[1] 表面波アレイ探触子の設計:アレイ探触子を用いて表面波を励起するには、レイリー波の臨界角を有する楔が必要である。予備実験では安価で加工性に富んだアクリルを用いたが、本年度は減衰、伝達効率、伝搬距離、材料の音速変化への対応度の高さの観点から検討した結果、高密度ポリスチレンが適していることが分かった。 [2] 界面での屈折を考慮した映像化アルゴリズムの構築:表面波フェーズドアレイによる非線形超音波映像法では、くさびと試験片の2相界面の屈折を3次元的に考慮する必要がある。そこで、これまで分調波フェーズドアレイ映像法の開発で蓄積してきた映像化アルゴリズムを3次元に拡張子、適切な入射点を設定し、フェルマーの原理の導入により遅延則を定式化した。 [3] 閉じた疲労き裂試験片の準備:閉じた疲労き裂の作製では、これまで蓄積してきた知見に基づいて、最大および最小応力拡大係数を設定し、航空機部材で使用されるアルミニウム合金、発電所で使用されるステンレス鋼などの金属材料に、閉じた疲労き裂を導入する。今年度は、オーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lに疲労条件の最大応力拡大係数を徐々に低くしながら疲労き裂を導入し、側面でも比較的閉じ気味の作製に成功した。この閉じたき裂の作製については、H28年度以降も継続する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度行った設計に基づき、表面波用アレイ探触子の試作を行う。また、熱応力負荷方法について、応力の大きさや現場での状況を想定しつつ、その適用法について検討する。
|
Research Products
(25 results)