Cu-modified Al2O3 scale forming austenitic heat resistant alloys

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15H04153
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 林 重成 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10321960)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鵜飼 重治 北海道大学, 工学研究院, 特任教授 (00421529)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: オーステナイト耐熱鋼 / アルミナスケール / 耐酸化性 / 銅添加

Outline of Annual Research Achievements

オーステナイト系の耐熱鋼は、優れた高温機械的特性を有するが、現状の市販耐熱鋼は、高温酸化環境中でクロミアスケールを形成する合金組成となっており、クロミアスケールの耐酸化性は劣る。1000℃を目指した耐熱鋼を開発するためには高温でも優れた耐酸化性を発揮するアルミナスケールを形成する耐熱鋼の開発が必要となっている。
アルミナスケールを形成するためには、オーステナイト鋼中に十分なアルミニウムを含有させる必要があるが、アルミニウムは鋼の機械的特性を低下すること、また加工性を著しく低下することから、その添加量は制限されるため、アルミナスケールを形成するための十分なアルミニウム濃度を確保することが困難であり、これまで商用のアルミナスケール形成オーステナイト系耐熱鋼は開発されていない。
本研究では、耐熱鋼中への銅の添加がアルミナスケール形成のために必要な合金中のアルミニウム濃度を著しく低下させることを明らかにした上で、平成29年度は、アルミナスケール形成におよぼすCuの影響について、明らかにすることを目的として内部酸化手法を用いた内部酸化実験を実施した。実験ではCu添加量の異なるFe-Ni-Al-Cu合金を用い内部酸化層の動力学を測定した。
内部酸化層の成長動力学は、合金中のCu添加量の増加に伴って低下した。また、形成した内部アルミナ析出物の体積割合は、Cu添加により増加したことから、Cu添加は合金表面からの酸素の侵入に対して合金中からのアルミニウムの供給を相対的に増加させる効果があることを明らかにすることができた。また、拡散対を用いた拡散実験結果から、アルミニウムはCuの濃度勾配に逆らって逆拡散することが明らかとなり、これらのことから、オーステナイト鋼上へのアルミナスケール形成のための臨界アルミニウム濃度がCu添加により低下したことが明らかとなった。

Research Progress Status

29年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

29年度が最終年度であるため、記入しない。