2016 Fiscal Year Annual Research Report
Electrochemical formation of periodic nanostructures on oxide nanotubes based on self-organization and their applications to energy devices
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15H04160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土谷 博昭 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50432513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 愼司 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70199371)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 陽極酸化 / バルブ金属 / ナノチューブ / フッ化物 / 電子物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
フッ化物を含む電解液中で陽極酸化を行うことにより、バルブ金属を主成分として含む合金表面に数十から数百nmの径を有する細孔が自己規則化して配列したナノポーラス酸化物・ナノチューブ状酸化物層を形成でき、フッ化物含有電解液中での反応性の大きく異なる元素からなる合金ではバルブ金属の優先酸化とその他の元素の基板/酸化物界面への濃縮が起こることを明らかとしてきた。本研究では、貴金属元素との合金において、その優先酸化と元素濃縮現象の検討とそれを利用したナノポーラス酸化物・ナノチューブ状酸化物への貴金属担持を検討し、物性評価・デバイス応用を検討する。そのためには、貴金属元素を幅広い組成で添加した合金作製が必要であるが、アーク溶解法では、貴金属元素量が増えると析出物が合金中に分散し、単相合金が得られない。その結果、陽極酸化により得られる酸化物層の形態も均一ではなくなる。そのため、スパッタリング法により、試料を作製した。しかしながら、スパッタリングにより形成したチタン薄膜は、XRDにより析出物ピークは得られなかったが、20at.%以上の多量の酸素が固溶していることが明らかとなった。そのチタン薄膜を陽極酸化すると従来の構造とは異なるが、ナノポーラス状酸化物層が得られた。酸素を多量に固溶している合金においても、ナノポーラス酸化物層が形成しうるという結果を初めて見出した。しかしながら、従来の構造に近づけるために、スパッタリング条件を色々と検討し、酸素量を低減させることに成功した。そのチタン薄膜状には、従来の構造に近い、ナノチューブ状酸化物層が生成した。また白金を添加したチタン合金も作製し、アーク溶解で均一な組織が得られた最大添加量よりもさらに多くの白金が固溶した合金が得られた。一方で、白金量が多くなりすぎると、陽極酸化中の反応性が大きく変化し、ナノチューブ構造が大きく乱れることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造最適化はまだ出来ていないものの、スパッタリング法により添加量を幅広く変えたチタン合金を作製することができ、スパッタリングにより作製した薄膜に酸素を固溶していてもナノポーラス酸化物を形成できることも見出すことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
スパッタリング法をもちいて、幅広い組成範囲で添加量を制御した貴金属添加チタンおよびタンタル合金を高品質に作製できるようなプロセスパラメータの最適化と陽極酸化によるナノ構造酸化物層の作製とその形態評価を行い、バルブ金属の優先酸化と貴金属の酸化物層/基板界面への濃縮挙動を検討し、それを応用した貴金属担持を周期的に実現することを目指す。また、バルブ金属酸化物層の電子物性とエネルギーデバイスへの展開を検討する。エネルギーデバイスでは、酸化物層はアモルファスより結晶材料が求められるが、陽極酸化直後の酸化チタン層および酸化タンタル層はアモルファスであることが知られている。そのために不可欠な熱処理のやり方を最適化することにより、各ナノチューブが単結晶とすることを試みる。
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Research Products
(4 results)