2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津守 不二夫 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正道 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50311634)
中島 裕典 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70432862)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 粉末プロセス / 粉末冶金 / セラミックス / 燃料電池 / 微細加工 / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,従来法において「樹脂材料に」「2次元パターンを転写」するのみであったインプリントプロセスを改良し,最終的に「無機材料に」「内部流路を含む3次元構造」を作製するプロセスの開発を目指すものである.具体的なプロセスとしては,セラミックスコンパウンドシートへの成形加工,および,犠牲層となる樹脂へのレーザ加工プロセスの両者を取り扱う必要がある. 本年度の実績としては,まず,数10マイクロメートルレベルの流路となる犠牲層をレーザ加工により作製できた.犠牲層にはレーザの吸収の良いポリイミドシートを用い,532nmの波長の緑色レーザにより加工を施した.最大出力は3Wであったが,出力を1W以下に絞り,複数回の同じ軌跡を繰り返して走査することにより良好な加工面を得た. 得られた犠牲層をアルミナセラミックス粉末とポリビニルアルコール樹脂とを混ぜあわせたコンパウンドシート材料で挟み込み,インプリント成形加工を行った.樹脂中の粉末量の調整や成形時の温度を変化させることを試み,最適な条件において欠陥のない構造を得ることができた. 最終的な焼結体をCTスキャンにより3次元観察を行ったところ,表面の凹凸パターンに沿った流路が欠陥なく構築できていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,従来法において「樹脂材料に」「2次元パターンを転写」するのみであったインプリントプロセスを改良し,最終的に「無機材料に」「内部流路を含む3次元構造」を作製するプロセスの開発を目指すものである.具体的なプロセスとしては,セラミックスコンパウンドシートへの成形加工,および,犠牲層となる樹脂へのレーザ加工プロセスの両者を取り扱う必要がある. 本年度の実績としては,まず,数10マイクロメートルレベルの流路となる犠牲層をレーザ加工により作製できた.犠牲層にはレーザの吸収の良いポリイミドシートを用い,532nmの波長の緑色レーザにより加工を施した.最大出力は3Wであったが,出力を1W以下に絞り,複数回の同じ軌跡を繰り返して走査することにより良好な加工面を得た. 得られた犠牲層をアルミナセラミックス粉末とポリビニルアルコール樹脂とを混ぜあわせたコンパウンドシート材料で挟み込み,インプリント成形加工を行った.樹脂中の粉末量の調整や成形時の温度を変化させることを試み,最適な条件において欠陥のない構造を得ることができた. 最終的な焼結体をCTスキャンにより3次元観察を行ったところ,表面の凹凸パターンに沿った流路が欠陥なく構築できていることを確認した. 紫外線レーザ装置の出荷時のメーカトラブルにより,紫外線によるレーザ加工実験の開始が遅れたものの,既存の緑色レーザを用い,構造を無事に作製できている.今後,紫外線レーザでしか加工できない透明樹脂を犠牲層に利用した実験を追加していく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
紫外線レーザ装置の出荷時のメーカトラブルにより,紫外線によるレーザ加工実験の開始が遅れたものの,既存の緑色レーザを用い,構造を無事に作製できている.今後,紫外線レーザでしか加工できない透明樹脂を犠牲層に利用した実験を追加していく予定である. また,サーボモータプレスが利用可能となったため,成形時の変位および速度を制御しながら加工することができる.インプリントの成形条件においては,特に犠牲層との一体成形時においては,各素材の速度依存の影響(粘性項)が大きいため,速度制御実験を繰り返す必要がある. また,共同研究者によるハニカム状燃料電池構造を,本プロセスと組み合わせ,新たな構造の電池を作製していくことを進めていく.
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Research Products
(5 results)