2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロエレメンタルシナジー触媒によるシェールガス化学的変換の新展開
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15H04188
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
永岡 勝俊 大分大学, 工学部, 准教授 (90381029)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 固体触媒 / ヘテロエレメント / シェールガス / メタン / 合成ガス / 炭素析出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シェールガス革命により早期実現が求められているMTB(メタンtoブタジエン)プロセスでのキーテクノロジーである「高圧下でのメタンのドライリフォーミング反応(CH4+CO2→CO+2H2)」に用いる貴金属フリー触媒の開発に取り組み、当該年度では以下に示す研究成果を得た。 B.Al3+の存在状態・位置を特定し、Co2+の還元促進、Co微粒子形成の学理を解明する。 Al-NMR測定により、Alが0.1wt%の場合にはほぼすべてがMgOの岩塩構造の6配位空間に存在していることが分かった。0.5wt%では、MgOの6配位空間に位置する量も増えるが、MgAl2O4として存在する量が急激に増えること、1.0wt%では大部分がMgAl2O4として存在することが分かった。以上の結果から、MgO中にAl3+がMg2+と固溶置換することで、陽イオン欠陥が生成し、そのことによって、Co2+の還元が促進されたと結論した。なお、CO2-TPD測定の結果から、MgAl2O4の生成にともない、MgO上の塩基点が減少し炭素析出が起こりやすくなることも分かった。 C.強塩基性酸化物をMgOにドープし、これを水素処理することで、Co微粒子上にCO2の吸着サイトを構築し、炭素析出耐性の向上をはかる。 アルカリ土類金属酸化物の種類、調製法、含有量の異なる触媒を多数調製した。そして、高圧下での活性測定、反応後の触媒上での炭素析出測定により、ドーパントとして有望な元素の絞り込みに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した通りの実験を行い、予定通り研究が進捗したため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した通り、引き続き、以下の事項について検討する。
C.強塩基性酸化物をMgOにドープし、これを水素処理することで、Co微粒子上にCO2の吸着サイトを構築し、炭素析出耐性の向上をはかる。 D.強塩基性酸化物の存在状態・位置を特定し、炭素析出抑制の学理を解明する。
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Research Products
(3 results)