2016 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドとナノ材料によるバイオアクティブ細胞界面の創製
Project/Area Number |
15H04192
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大河内 美奈 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70313301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐圭 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60533958)
早水 裕平 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (80443216)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペプチド / 細胞界面 / ナノ材料 / ナノバイオ / バイオセンサ / 先端機能デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンなどの2次元ナノ材料は、高速かつ高感度にシグナルを取得できる次世代エレクトロニクス材料として注目されています。しかし、従来のマクロ電極における化学修飾法を2次元ナノ材料に適用すると電極特性を損なうことが多いため、高感度に細胞などからのシグナルを取得するには生体適合性の高い小分子を用いた新しい界面設計が必要となります。そこで、ナノ界面形成分子としてペプチドに注目し、ペプチドとナノ材料を駆使した細胞界面の創製を目的として研究を進めました。 平成28年度は、細胞としてNIH-3T3を用いて、細胞膜に対して親和性をもつペプチド配列とグラフェン結合性ペプチドを連結した二機能性ペプチドによる細胞界面を設計しました。細胞膜イオンチャネルの高感度検出に向けて、電極表面に細胞膜を安定に固定化するため、細胞膜透過性ペプチドおよびウイルス膜融合ペプチドに着目し、細胞膜結合性ペプチドを探索しました。セルロース膜に多種類のペプチドをスポット合成後、細胞を播種し、インテグリンが発現しないPBS条件下において結合試験を行い、細胞膜親和性ペプチドを探索しました。この細胞膜結合性ペプチドをアレイ上に合成し、細胞を培養したところ、インテグリン親和性のRGDペプチドと同様に細胞増殖がみられました。そこで、グラフェンと同様の表面をもつ薄層グラファイト上に探索した細胞膜およびグラファイト結合性ペプチドを連結した機能性ペプチドを添加し、ペプチドによる細胞界面を形成させ、細胞を培養しました。また、培養した細胞を浸透圧ショック法により細胞膜を破砕して細胞膜を蛍光染色したところ、グラファイト基板上に細胞膜が固定化されていることが確認できました。これより、ペプチドはグラファイト結合性と細胞膜結合性の2つの機能を発揮し、薄層グラファイトに細胞膜を安定に固定化できるペプチド界面を構築できました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、薄層グラファイト上にペプチド自己組織化膜形成による細胞界面を構築しました。薄層グラファイト上にペプチド溶液を滴下するだけで細胞毒性のない安定した細胞界面を構築できたことは、ナノメートルスケールの分解能を有する細胞機能計測や制御に関する研究を展開する上で重要であり、よい成果が得られました。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、2次元ナノ材料上でのペプチド自己組織化膜形成による細胞界面の設計によりナノメートルスケールでの分解能を有する細胞機能の計測および細胞イメージングを行う予定です。
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Research Products
(11 results)