2015 Fiscal Year Annual Research Report
全水深流れ場を正確に考慮した水中線状構造物の振動予測法の構築と実用化
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15H04211
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西 佳樹 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70470052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80111699)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海洋工学 / 海底資源 / ライザー管 / 渦励振 / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中線状構造物の運動を記述する構造力学モデルと、その構造物に作用する流体力を計算する流体力学モデルとを融合させた流体構造連成解析手法のプログラムを実装した。構造力学モデルについては、これまでに開発してきた、はりの運動を時間領域で解くプログラムに流体力を受ける部分を加えた。流体力学モデルについては、渦の生成にともなう流体力を精度よく簡易に計算できるモデルを用いて流体力を計算し、構造力学モデルと結合できるようにした。 計測値を計算に入れ込むためのデータ同化について文献調査を行った。本研究のでは計算手法の実用性を重視していることから、精度とアルゴリズムのシンプルさを適度に併せ持つ手法に焦点を絞った。その結果、カルマンフィルターの派生的な手法がよいと判断した。その判断のもと、アルゴリズムを整理しプログラムを実装した。カルマンフィルターは原則、モデルが線形である必要がある。実際の流体構造連成現象は非線形であるので、この非線形性が同化計算において無視できるほどに小さいかどうかを調べる必要があった。本年度は簡易な理論解析によりそれを検討した。 さらに、観測と計算との差からモデルパラメータを推定するためのプログラムも実装し試計算を実施した。その結果、実装したプログラムが定性的には良好な動作をしていることが確認できた。一方で数値計算の安定性については課題が浮き彫りになったので、同化の計算における数値安定性を向上させるために、オーソドックスなカルマンフィルターではなく、行列の計算処理方法に工夫を施したアルゴリズムを採用することを目指し文献調査を行った。その結果、行列を分解する一手法が適していることが分かったので、その手法を実装するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画のひとつは、流体構造連成解析手法とデータ同化手法の結合であり、それを9割方達成できたため。もうひとつの研究計画は実験装置の設計であった。これについても8割方の設計は行ったが、一部、材料の選定に長い時間を要したため、平成27年度中には10割の達成はならなかったが、平成28年度に十分に挽回できる程度である。
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Strategy for Future Research Activity |
本格的な計測データの同化を行う前に、簡易問題と文献データの同化を行うことで実装プログラムの完成度をできる限り高める。すなわち、取り組む問題の難易度を徐々に高くする用に工程を組む。このように進めることで結果が芳しくない場合、前の段階に立ち戻り原因を探りやすくしてある。
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Research Products
(3 results)