2016 Fiscal Year Annual Research Report
浮体式ウィンドファーム内の浮体動揺とブレード制御に伴う風車後流影響の定量的評価
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15H04220
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
中條 俊樹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (70506477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 絢 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (00636813)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 浮体式洋上風力発電 / ブレードピッチ制御 / 模型試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に製作した、3翼独立制御可能な風車模型を改良し、ロータ回転とブレードピッチ角変化に伴うスラストセンサーに現れるノイズ低減を図ったうえで、風洞模型試験を実施した。 風洞模型試験では、風車の風上側にハニカム板を設置し、風路内に風速の高度分布を簡易的に模擬した。この状態で風車特性としてロータ回転数およびスラスト変動を計測し、さらに風速計をトラバースさせて風車後流の速度分布を計測した。さらに、風速の高度分布に対応したブレードピッチ角個別制御アルゴリズムを開発し、模型試験に適用した。この制御アルゴリズムでは、風速分布は既知なものと仮定し、3本のブレードのアジマス角(回転に伴うブレード位置)が変化し、相対風速が変化しても、それぞれのブレードの迎え角が一定となるように制御した。 風洞試験結果から、ブレードピッチ制御の実行時と非実行時では、風車後流に若干の違いが現れていることが確認できた。特に、乱れ強度に差が見られた。また、風車スラストにおいては制御時の方が変動が大きくなるという、数値計算結果とは異なる結果となった。 数値計算では、翼素運動量理論に基づく風車用数値計算ソフト(NRELによるFAST)による計算を実施し、風速の高度分布に対応した制御を用いることで、スラスト変動が減少していることを確認した。また、揚力線理論に基づいた風車用数値計算ソフト(BerlinTUによるQBlade)を用い、模型試験を模擬した風車後流の解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に製作した模型には、製作制度の問題からスラストセンサーにロータ回転とブレードピッチ角変化に伴うノイズが発生しており、その低減を目的とした改良作業に時間を要したため、模型試験での計測が限られてしまったため。また、予算の制約から高応答性の風速センサーを使用できなかったため、後流の計測結果の精度が限られたものになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
風洞試験の準備として、風車模型のタワー部分をより高剛性の部材を使用する等して改良し、系全体のノイズ低減を図る。また、後流計測用のセンサーに、所属組織で少数保有している高応答センサーの使用を検討し、計測精度の向上を図る。 風洞試験では、すでに保有する風車を1基、風下側に追加し、強制動揺させた風上側風車のブレードピッチ制御による影響を計測する。 数値計算では引き続き後流分布の数値計算を実施し、風洞試験結果と比較し、本研究の目的である動揺環境下における風車の後流の影響を解析する。
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