2017 Fiscal Year Annual Research Report
Radiation-induced metastable electronic phase in strongly correlated systems
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15H04238
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 東北大学, 工学研究科, 教授 (60231859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越水 正典 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40374962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超伝導体 / YBCO / 放射線照射効果 / 準安定的 |
Outline of Annual Research Achievements |
ReBa2Cu3Oy(RE = Y, Nd, or Gd)のバルク試料および薄膜を対象として,超伝導特性に対するX線照射効果を解析した.X線照射前後での磁化率では,照射前には,磁化率が90 K 付近で急激に減少した.したがって,90 K 付近以下では本試料はマイスナー効果に伴う強い反磁性を示すといえる.その後,磁化率は温度低下に伴い緩やかに減少し,30 K付近から一定値をとる挙動を示した.また,X線照射後には、反磁性が増大した.時間経過に伴い,磁化率の温度依存性は照射前の挙動に近づいたが12 時間後も照射効果が完全に緩和することはなかった.このことは,照射効果は時間経過に伴い緩和することを示唆し,温度を低温に保てば照射効果は完全に緩和されず持続することを示唆する.また転移温度Tcは照射前後で93.4 Kと変化は見られなかった.NdBCOにおいてもX線照射後に磁化率が減少し,YBCOと同様の挙動を示した.また,照射前後のTcはそれぞれ55.0,54.7 Kであり,変化は僅少であった.YBCO薄膜においてもX線照射後に磁化率が減少し,反磁性が増大していることが分かる.また,照射前後のTcはそれぞれ66.2 K, 63.4 Kであり,X線照射後に2.8 K減少した.これはYBCOバルク試料では見られなかった現象であり,X線によるホールドープだけでは説明できない現象が試料内部で発現していることが示唆される.これらの結果から,バルクおよび薄膜では異なる電子正孔対の挙動が生じていることが実験的に示唆された.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)