2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H04239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桐島 陽 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00400424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北辻 章浩 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (30354898)
秋山 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80746751)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウラン廃棄物 / アクチノイド化学 / プロトアクチニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地球上に微量存在する元素ながら、物理・化学特性の解明が進んでいない天然のアクチノイド元素プロトアクチニウム(Pa)の溶液化学研究をマクロ量の231Paを用い実施している。4年計画の一年目である平成27年度は以下の項目を実施した。
(1)231Pa ストック溶液調製法の確立:電位差滴定や分光実験および電気化学測定を行うためには、子孫核種の227Ac, 227Thといった不純物を含まずPa濃度や他の塩類や酸などの溶液組成の定まったストック溶液の調整が必須である。そこで難溶解性の酸化物Pa2O5をフッ酸+硝酸の混酸にて溶解し、これを塩酸系に置換した後、溶媒抽出法により精製を行った。ここでは、Tri-iso-octyl Amine (TIOA) を抽出剤として用いて、子孫核種を水相に留め置き、Pa(V)のみを有機相に抽出した。その後、逆抽出することにより、Paを精製した。精製前および精製後のPa溶液のα線スぺクトロメトリを実施して、溶媒抽出により、231Paの子孫核種が分離除去されたことを確認した。
(2)吸収スペクトル測定:上記の手順で精製した231Pa溶液を液体シンチレーションカウンターおよび半導体検出器によりα線スぺクトロメトリ―を行い、定量した。その後、この溶液を塩酸溶液や硝酸溶液に調製し、UV-Vis-NIR領域で吸収スペクトル測定を行った。紫外領域にPa(V)イオンに起因する典型的な吸収ピークが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進み、Pa精製手法が確立され、基礎的なデータの取得もできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロ量の231Paを用い、最新の滴定装置、分光機器、電気化学測定機器を駆使し、加水分解や錯生成の基本的な平衡定数の決定や、分光パラメータの取得など、未知部分の多く残された天然元素であるPa の化学研究を進める。
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