2015 Fiscal Year Annual Research Report
エクセルギー再生ガス化とインテグレーションした超高効率SOFC発電システムの開発
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15H04250
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 敦司 東京大学, 生産技術研究所, 特任教授 (00188591)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SOFC / 石炭ガス化 / 循環流動層 / マイクロチューブ型 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロチューブ型SOFC と流動層ガス化炉及び改質炉を組み合わせたエクセルギー再生高効率発電システム開発のための基礎的研究を行うことを目的としている。平成27年度には計画通りに以下に述べる研究を行ってきた。 (1)低温ガス化技術の開発従来型のIGFC のガス化法は、1200~1500℃の高温でガス化する部分酸化ガス化であるが、エクセルギー再生ガス化にするために、800~900℃の低温で吸熱的にガス化する水蒸気ガス化が必要である。本研究では石炭ガス化を三塔式循環流動層に適用し、ガス化に必要な熱量及びガス化速度の計算を行った。また、これらを実測値を求めてるために実験装置の設計・制作を行った。 (2)燃料電池の高出力化 従来のSOFC は体積あたりの出力密度が小さく、これにより大規模発電では大きな温度勾配ができ、材料の耐久性にも悪影響を与える。本研究ではSOFC の高出力および高耐久性のためには新規のマイクロチューブ型のSOFC 開発を行った。直径約3mmの炭素棒の表面に電極及びセパレータのスラリーを順次にコーティング・焼成を繰り返すことによってセルを作製した。また、ガス拡散を容易にするためPMMA(polymethyl methacrylate)を用いてマイクロポーラスな構造を作った。その結果、作動温度700~850℃で高出力を持つことが確認でき、さらにレッドクスサイクル特性も向上させることができた。さらに、イオン電導度を上げるために、従来の電解質の材料であるYttria-stabilized zirconia (YSZ)を代替してscandia-stabilized zirconia (ScSZ)を導入して同じくマイクロチューブ型のSOFCセルを作製して評価を行った。その結果、セルのイオン電導度の向上し、作動温度が既存より100℃低くても、同等の性能を有することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題もなく、予定通りに実験も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は計画通りに、マイクロチューブ型SOFC 単セルをバンドルして炭素鋼円管に挿入した構造のスタックを考え、このSOFC スタックを流動層吸熱反応器に挿入したエクセルギーを再生させるシステムを構築する。さらに低温ガス化技術の開発においても石炭のガス化反応機構を明らかにする研究を行う。
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Research Products
(8 results)