2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neuronal specification and differentiation in the cerebellum
Project/Area Number |
15H04268
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
星野 幹雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 病態生化学研究部, 部長 (70301273)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 神経科学 / 発生・分化 / 解剖学 / 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小脳をモデル系として、あるいは小脳で見つけられた神経細胞運命決定因子を手掛かりとして、様々な種類の神経細胞がどのようにして生み出されるのか、その分子機構を明らかにすることであった。我々はこれまでの解析により、転写因子Ptf1aが小脳脳室帯の神経上皮で働き全ての小脳の抑制性神経細胞の運命決定に関係することを見出していた。その後、Ptf1aが、蝸牛神経核の抑制性神経細胞、登上繊維神経細胞の運命決定にも関わることを見出していた。さらに、発生途上の視床下部の神経上皮でもPtf1aが発現することを見出してはいたが、その機能は長らく不明であった。 ヒトを含む哺乳類の脳は「臨界期」と呼ばれる時期にテストステロン刺激を受けると男性化し、その刺激を受けないと女性化する。しかし「臨界期」以前の脳の性分化機構についてはよくわかっていない。我々はPtf1a遺伝子が「臨界期」より前の胎児期の視床下部の神経前駆細胞で発現することを見出した。その領域でPtf1a遺伝子のノックアウトマウスを作製したところ、その脳は「臨界期」にテストステロン刺激を受けても男性化できず、受けない場合でも女性化されなかった。以上から、(1)脳の性分化のためには、「臨界期」以前に「性分化準備状態」になる必要があること、(2)胎児期の視床下部Ptf1aが脳を「性分化準備状態」へと導き、その後の「臨界期」でのテストステロン刺激・非刺激によって男性脳・女性脳へと性分化させるということが明らかになった(Fujiyama et al., Cell Reports, 2018)。Ptf1aはそれらの中で最も早く働く最上流遺伝子であり、脳の性分化の最初期段階を明らかにしたといえる。小脳については、抑制性神経細胞の生み分け機構や顆粒細胞前駆細胞の増殖制御機構の一端を明らかにすることができた。
|
Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)
-
-
[Journal Article] Forebrain Ptf1a Is Required for Sexual Differentiation of the Brain2018
Author(s)
Fujiyama Tomoyuki、Miyashita Satoshi、Tsuneoka Yousuke、Kanemaru Kazumasa、Kakizaki Miyo、Kanno Satomi、Ishikawa Yukiko、Yamashita Mariko、Owa Tomoo、Nagaoka Mai、Kawaguchi Yoshiya、Yanagawa Yuchio、Magnuson Mark A.、Muratani Masafumi、Shibuya Akira、Nabeshima Yo-ichi、Yanagisawa Masashi、Funato Hiromasa、Hoshino Mikio
-
Journal Title
Cell Reports
Volume: 24
Pages: 79~94
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Loss of Auts2 induces the defects of synaptic function and cognitive brain functions2018
Author(s)
Hori K, Nagai T, Shan W, Yamad M, Shiraishi R, Sakamoto A, Kanno K, Abe M, Yamada K, Sakimura K, Hoshino M
Organizer
新学術領域個性創発脳第1回国際シンポジウム
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-