2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of human iPSCs by incomplete reprogramming and genome instability
Project/Area Number |
15H04278
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
岡田 洋平 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30383714)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ヒトiPS細胞 / 造腫瘍性 / ゲノム不安定性 / 不完全なリプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)遺伝子発現とエピジェネティックスによるヒトiPS細胞のリプログラミングの評価:神経分化能と造腫瘍性を詳細に解析した6株のヒトiPS細胞と3株のヒトES細胞、およびiPS細胞の作製に用いた線維芽細胞を用いて行った網羅的DNAメチル化解析(Illumina Infinium methylation assay: 450k)などのエピジェネティックス解析の結果をもとに、これまでに同定した60遺伝子、または17遺伝子のScore Cardに着目した解析を進めている。 (2)様々な細胞種における分化異常・造腫瘍性の評価:これまでに未分化ヒトiPS細胞を免疫不全(NOD/SCID)マウス精巣に移植して作成した奇形腫の組織切片を作成し、奇形腫中にみられる様々な組織像を解析することで造腫瘍性の評価を行った。その結果、一部の奇形腫では造腫瘍性との相関を疑わせる所見が得られたため、組織像の詳細な確認を進めるとともに、これまでの遺伝子発現やエピジェネティクス解析との相関性を検討している。 (3)末梢神経への移植による造腫瘍性評価:従来の解析で造腫瘍性を示さなかったヒトiPS細胞から、異なる培養法で誘導した神経前駆細胞を免疫不全ラット末梢神経へ移植したところ、移植後約3か月で腫瘍を形成する個体がみられた。したがって、培養方法や移植環境が異なる場合は、その造腫瘍性を個別にに考慮すべきであると考えられた。 (4)ヒトiPS細胞の品質を規定する「Score Card」の同定と、「真に良質なヒトiPS細胞」の迅速かつ効率的選択法の開発:独自に同定した「Score Card」の遺伝子群に着目して、これまでに樹立した数多くのヒトiPS細胞の遺伝子発現プロファイルとの比較検討を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトiPS細胞のメチル化解析、および免疫不全マウスへの移植により作成した奇形腫の組織像の解析、「Score Card」遺伝子群の解析に加え、末梢神経への移植による造腫瘍性についての解析も進められており、概ね予定通り進捗していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
主に、「Score Card」に関する解析を進める。また、末梢神経における造腫瘍性評価を引き続き進める。
|
Research Products
(18 results)