2018 Fiscal Year Annual Research Report
ADHD model mice depending on thalamo-cortical circuits
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15H04290
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
糸原 重美 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (60252524)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マウス / 注意 / 衝動性 / 遺伝子変異 / 精神疾患 / カルシウムセンサー / トランスジェニック |
Outline of Annual Research Achievements |
注意もしくは衝動性の異常は多様な精神疾患横断的に生じる。その分子及び神経回路機構の一端を明らかとすることを目的とし、NMDA受容体もしくはcAMP-GEF2 遺伝子の条件変異マウスを作製して解析した。視床随板核特異的にNMDA受容体を欠損させた個体は、注意、衝動性制御、作業記憶、空間記憶などの広範な認知機能や、レム睡眠に異常を示すとともに、覚醒もしくはREM睡眠中の脳波に異常を示すなど、統合失調症と多くの類似性を示した。海馬CA1選択的にNMDA受容体を欠損させた個体は空間学習に異常を示すことが知られている。報酬の時間割引課題を課した際の海馬CA1の動態を解析し、海馬CA1が報酬の主観的価値判断に関わり、衝動性制御にも重要な役割を担うことを明らかとした。cAMP-GEF2 遺伝子の完全欠失個体は、多動性と衝動性に異常を示し注意欠陥多動症のモデルとなることが示された。条件変異マウスの解析は、多動性と衝動性の責任回路が異なることを示唆した。神経回路動態を可視化する目的で、選択的細胞腫特異的にカルシウムセンサータンパク質を発現するトランスジェニックマウスを作製し、多感覚刺激による大脳皮質の動態を解析した。その結果、正中及び頭頂の高次野は感覚刺激情報の統合の場であり、そこの興奮性細胞群では多感覚刺激により、刺激後数秒間に渡る脳波の同期が生ずることを明らかとした。情報統合に異常を持つ遺伝子変異マウスでの解析は今後の問題として残された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)