2017 Fiscal Year Annual Research Report
Blockade of PAI-1 eliminates leukemic stem cells
Project/Area Number |
15H04301
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
八幡 崇 東海大学, 医学部, 准教授 (10398753)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / ニッチ / PAI-1 / 分子標的薬 / TGF-b |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病幹細胞は白血病の発症起点であり、供給源でもある。抗がん剤は、活動的ながん細胞には作用するが、細胞周期が停止している静止状態のがん幹細胞には効果が低い。つまり、一見寛解期に至った場合でも治療抵抗性の白血病幹細胞が残存してしまうことが再発の原因であり、完治を困難にしている最大の要因である。この幹細胞の静止状態は、骨髄のニッチと呼ばれる細胞との緊密な接着を介した相互作用によって誘導される。したがって、もしがん幹細胞の静止状態を解除しニッチによる保護作用から離脱させることができれば、抗がん剤に対する治療抵抗性が減弱し『高感受性化』するので、がん幹細胞の完全な排除を実現する理想的な治療法を確立することが期待できる。 申請者らは、ニッチが産生するTGF-bが造血幹細胞のPAI-1の発現を強力に誘導すること、そしてそのPAI-1が造血幹細胞に運動能を付与する膜型メタロプロテアーゼ(MT1-MMP)の活性を抑制するため、造血幹細胞の運動能が制限されることを明らかにした。重要なことに、PAI-1発現を増強すると造血幹細胞はニッチに留まり、逆に、PAI-1阻害薬でPAI-1活性を抑制すると幹細胞がニッチから離脱するという驚くべき知見を得た (Blood, 2017)。 白血病幹細胞は正常造血幹細胞と多くの共通した性質を持つことが知られている。申請者らは、(1)白血病幹細胞の治療抵抗性の原因であるTGF-b は、マウスとヒト白血病幹細胞にPAI-1発現を強く誘導すること、(2)PAI-1高発現白血病細胞は治療抵抗性であり、低発現白血病細胞は治療感受性であること、(3)白血病特異的な分子標的薬にPAI-1阻害薬を併用すると再発率の低下など顕著な抗腫瘍効果を発揮することを見いだした。すなわち、白血病幹細胞の治療抵抗性にPAI-1が重要な役割を担っていることを明らかにした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)