2015 Fiscal Year Annual Research Report
G-NaVI法によるHBV全組込とエピゲノム変化の時空間的解明による肝発癌の制御
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15H04304
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊東 文生 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90223180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40332910)
渡邊 嘉行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90329243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピゲノム / HBV / 肝癌 / DNA組み込み / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス(HBV)関連肝細胞癌は現在も減少しておらずその発生進展機序の解明は重要な課題である。HBV感染にかかわる主要な発癌機序のひとつにHBV DNAのヒトゲノムへの組み込みがある。今までのHBV組み込み解析法では実現できなかった全組み込み解析を可能とすべく、Genome capture法併用次世代シークエンサーによるウイルスDNA全組み込み解析法(G-NaVI法)を考案した。 HBVのヒトゲノムへの全組み込みおよびHBV組み込みに伴うHBVおよび宿主ゲノムのエピジェネティックな変化を明らかにすることを目的とした。 G-NaVI法による解析の至適化の結果、得られたリード長、平均リードクオリティ、正確性において、十分な結果を得ることができた。従って、解析を進め、HBV DNA組み込みの多様性を明らかにした。つまり、組み込まれたHBV DNAのサイズの多様性やヒト側の組み込み部位(繰り返し配列など)の多様性を明らかにした。複数の検体において組み込みがみられる標的遺伝子候補も明らかにしたが、組み込みパターンはさまざまであった。上記の実績を踏まえ、次のステップとなるDNAメチル化解析(パイロシーケンス法)の至適化を試みた。HBV DNA組み込みの多様性から、DNAメチル化解析に必要なprimerの設計等も複雑になったが、パイロシーケンス法がワークしていることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
G-NaVI法解析結果の中間評価において、全く予期しなかったHBVDNA組み込みの多様性を認めた。つまり、組み込まれたHBV DNAのサイズの多様性やヒト側の組み込み部位(繰り返し配列など)の多様性により、結果の検証に新たに2か月を要した。さらに、この多様性の影響で、次のステップとなるDNAメチル化解析(パイロシーケンス法)の至適化に新たに2か月を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
4か月の延長期間にHBV全組み込みとDNAメチル化解析の統合評価の上、成果を取りまとめる。 一方、平成28年度事業として予定しているHBV関連肝細胞癌の遺伝子異常の次世代統合オミクス解析については、平成27年度の研究成果を必要としないため、当初の予定どおり平成28年度中に終了が可能である。 各研究項目の連携を強化し、研究全体の遂行、目標の達成に向けて邁進する。
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