2016 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of novel oncogene dynAP and the identification of its inhibitors
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15H04314
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
水上 民夫 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (80367896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 抗dynAPポリクローナル抗体の取得 dynAPタンパク質は全210アミノ酸より構成されるが、135~210番目のC末端側部分が細胞外に表出していることがこれまでの研究により明らかとなっている。タンパク質の表出アミノ酸予測を行って、免疫源となるペプチド配列(C1~C4)をデザインした。その他、135~210番目全長のタンパク質部分(C5)とそれにFc領域付加した組換えタンパク質(C6)を動物細胞で発現・精製し、免疫源とした。 本年度は、これらの合計6種の抗原ペプチド・タンパク質を、ウサギに免疫して抗血清を取得し、それぞれの抗血清の抗原結合カラムでのアフィニティー精製により、抗原との反応性を持つポリクローナル抗体を取得した。ELISA法による検討で、C1とC2ペプチド配列を免疫源として取得した2種のポリクローナル抗体(C1、C2抗体と略称する)が抗原ペプチドと顕著に強い反応性を示すことが判明したことから、C1、C2抗体に絞って、dynAP安定発現株との反応性を検討した。非透過処理、非処理条件下で、C1抗体による染色で細胞膜に強いシグナルが観察されたものの、C2抗体では、微弱なシグナルしか見られず、C1抗体のみが細胞膜上に発現するdynAPの構造を認識できることがわかった。 次に、C1抗体を用いて、全長dynAPの安定的発現によりがん化したマウスNIH3T3細胞の2次元平面培養系及び3次元スフェロイド培養系での増殖への影響を評価したところ、2次元及び3次元培養系ともに細胞の増殖を有意に阻害できることが明らかとなった。 上記の検討の結果、C1抗体はC1配列特異的にdynAP発現細胞の増殖を阻害することが判明した。これらの結果は、今後のC1配列を免疫源とする、dynAP発現がん細胞の増殖を強力に抑制できるモノクローナル抗体の開発の妥当性を示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
取得したC1抗体がC1配列特異的にdynAP発現細胞の増殖を阻害することが判明した。本知見は今後のC1配列を免疫源とする、dynAP発現がん細胞の増殖を抑制できるモノクローナル抗体の開発の妥当性を示すものであり、重要な成果が得られたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 糖鎖修飾のがん化能に及ぼす影響の検討
dynAPの糖鎖修飾のがん化能に及ぼす影響を調べることを目的として研究を展開する。すなわち、dynAP野生型を基本とし、3種の糖鎖修飾部位変異体、すなわち、N結合型糖鎖の結合部位の置換変異体であるdynAP001 N143Q、O結合型糖鎖の結合部位の欠失変異体であるdynAP001ΔC38、さらに両変異を組み合わせたdynAP001ΔC38N143Qを組換えレトロウイルス法により過剰発現させたNIH3T3を造成し、スフェロイド形成能を指標として、がん化能の検証を進める。
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Research Products
(1 results)