2017 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成における多機能性ゲノム配列の網羅的探索と作用機序および生理的意義
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15H04317
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 敦 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90422005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 炎 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主幹研究員 (20280688)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム / エピジェネティクス / 精子形成 / 遺伝子発現調節 / dual promoter-enhancer |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は精子形成メカニズムの全容解明に向けて「減数分裂過程での一過的な遺伝子活性化機構」を明らかにすることを目指すものである。特にdual promoter-enhancer(DPE)と呼ばれる、プロモーターとしてもエンハンサーとしても機能するゲノム配列が重要であると考えて、その網羅的な同定を行って解析する。研究期間のうち最初の2年間で、マウス精巣から単離した精原細胞と一次精母細胞ならびにマウス精原細胞由来のGC-2spd(ts)細胞における網羅解析が終了し、多くのDPE候補配列が得られた。これを受けて計画3年目の今年度は以下のような成果が得られた。 まず、得られたDPE候補配列にはいわゆるリピート配列と重なっているものが多かった。周辺の遺伝子構成などから、リピートになっていないもの2つと、リピートになっているもの2つを選んで詳細に解析することにした。このうちリピートになっていない1つは、当研究室で哺乳類初のDPEとして同定したTcam1遺伝子座の配列であった。 Tcam1遺伝子座のDPEについては、すでにそのプロモーター活性とエンハンサー活性が明らかであるため、DPE活性を生み出す分子メカニズムの解明を目指した。具体的には274塩基のDPE配列の一部を削った一連のコンストラクトを作製して、転写調節活性を測定した。その結果、この中の60塩基の配列がプロモーター活性とエンハンサー活性の両方を生み出すコアである可能性が高いことが判明した。 その他のDPE配列については、そのプロモーター活性とエンハンサー活性を測定するためのコンストラクトが完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに最初の2年間で得られた多数のDPE候補配列から絞込みを行ってその詳細な解析をスタートし、1つのDPEについてはコア配列を絞り込む段階まで進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
絞り込んだDPEのさらに詳細な分子メカニズムを解析すると同時に、DPEを欠損させた時の効果を調べる。
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Research Products
(2 results)