2015 Fiscal Year Annual Research Report
分裂期チェックポイントを利用した21トリソミー治療法の開発
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15H04321
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 達雄 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (40452627)
柳原 啓見 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50719474)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 染色体 / 遺伝病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症の21トリソミーを培養細胞レベルで正常化させるトリソミー治療法が注目されている。本申請研究では、新しい概念を取り入れたトリソミー治療法を提案する。すなわち、ダウン症細胞の分裂期チェックポイントを人工的に抑制して染色体不安定性を一過性に誘導し、この中から過剰21番染色体のみ喪失した細胞を選別する手法である。本法は簡易かつ細胞およびゲノムに低侵襲であり、より安全な染色体治療法として21トリソミーのみならず様々な染色体異常症に応用できる可能性がある。 本年度は、ダウン症の皮膚線維芽細胞をCoriell Cell Repositoryから入手し、さらに、BUBR1が欠損したPCS症候群家系の同胞2例の皮膚線維芽細胞を遺伝医学研究者コミュニティーから入手した。それぞれの細胞に山中因子を導入して、iPS細胞を樹立した。Gバンド法でiPS細胞の染色体数の分布を観察して、ダウン症iPS細胞で21トリソミーを、PCS症候群細胞で多彩異数性モザイク(MVA)を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画のとおり、ダウン症ならびにPCS症候群患者からiPS細胞を樹立して、それぞれの染色体異数性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
ダウン症iPS細胞で、BubR1をノックダウンして、ディッシュ上にコロニーを形成させる。細胞コロニーを96穴プレートに継代して培養を継続するとともに、そのレプリカプレートを作成する。レプリカプレートから細胞を回収して、21番染色体のコピー数を、間期核FISH法で解析する。21番染色体が3コピーから2コピーに正常化した細胞を選び出し、再度Gバンド法または染色体ペインティング法で他の染色体に異数性が見られないクローンを選別する。最終的に細胞を、SNPマイクロアレー法で解析して、ゲノム変化(微小欠失や挿入、片親性ダイソミー)が生じていないことを確認する。また選別過程で、iPS細胞の未分化性に変化が生じていないことを、in vitro分化法、テラトーマ形成法で評価する。
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Research Products
(2 results)