2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationships between cell assembly formation and functional organ formation
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15H04322
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松井 貴輝 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (60403333)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゆらぎ / 細胞社会 / 細胞間コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体内で個々の細胞が持つ「ゆらぎ」を観測し、その定量データを基に数理モデルを確立することによって、どのように「ゆらぎ」を持つ細胞から「秩序」を持つ細胞集団が構築されるのかを理解することを目的とする。これまで、ゼブラフィッシュ胚の上皮組織、体節などの形成を本研究のモデルシステムとして捉え、細胞の挙動、シグナル動態、力学特性の定量を行い、細胞間でシグナル強度が一定に保たれ、しかも、協調的に活性のオンとオフが制御されることや、細胞が協調的に力を発生することが、適切に器官/組織が構築されるために必要であることを突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上皮組織において、死細胞を除去する過程に死細胞の周囲の細胞が生み出す物理的な力が死細胞の排除に役立つこと、体節形成においては、体節形成に必須なFGF/Erkシグナルをライブイメージングするシステムを構築し、体節の前駆細胞の集団において、Erkの活性化領域が階段状に変化していくことによって器官のサイズが一定に保たれていることを証明した。これらの成果を上げることができたので、本研究は概ね順調に進んでいると判断しているが、一部の実験で、予期せぬデータのばらつきが生じた。そこで、今後実験条件を精査しながら進める必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
力学相互作用に関しては、細胞競合、創傷治癒などの類似現象でも定量を行うことで、細胞のゆらぎが力学相互作用にどのように影響するのかを詳しく解析する。また、体節形成では、ライブイメージングで得られたシグナル活性ダイナミックスをベースとした数理モデルを構築し、体節形成のロジックを詳細に解析する。さらに、上述した系以外でも、細胞の挙動、シグナル活性、力学特性を定量評価することで、細胞種や器官形成の共通点や特異点を抽出し、器官形成の秩序形成ロジックの理解を深める予定である。
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Research Products
(4 results)